血液、尿検査などの検査値の異常

血液、尿検査などの検査値の異常

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血液、尿検査などの検査値の異常

肝臓・胆のう・すい臓の病気自覚症状のないまま進行してしまうものが少なくありません。

たとえば、脂肪肝などはその代表例で、自覚症状がほとんどないため、健康診断で指摘されてはじめて気づく人が非常に多いといわれています。

そのため、定期的に検査を受け、何らかの異変がおこっていないか、病気が進行していないかを調べる必要があります。

検査をおこなう医療機関によっても異なりますが、血液検査、尿検査で基本的な項目を調べ、そこで異常がみつかれば、さらにくわしい画像検査などをおこなうのが、一般的な検査の流れです。

職場の健康診断を受け、後日、検査結果を受けとったものの、「いったい何をどうみればいいの?」と困ったことがあるかもしれません。

とくに血液検査の項目は多岐にわたり、項目名だけで、何を意味する検査か理解するのはむずかしいものです。

肝臓・胆のう・すいの状態をみるための基本的な血液の検査項目は、GOT、GPT、γ−GTPの3つで、健康診断で必ず調べるよう義務づけられている項目です。

そのほかに、高脂血症の指標となる総コレステロール値も、肝臓の異常を知る手がかりとなる、基本的な項目です。

腫瘍マーカーとは、血液中に含まれている特殊なたんばくのことです。

がん細胞があると、血液中の量が増加することから、がんの可能性をさぐるために、血液中の量を測定する検査をおこないます。

腫瘍マーカーには20以上もの種類があり、肝がんの場合と、胆のうがんやすい臓がんの場合とでは、増加するマーカーの種類も異なります。

肝がんの可能性をみるときに調べられるのは、おもにAFP、PIVKA−V、AFP−L3分画の3種類です。

これに対し、胆のうがんやすい臓がんを調べるときに重要となるのが、おもにCA19−9、CEAの2種類です。

ただし、腫瘍マーカー検査の数値だけでがんと診断されることはありません。

がん以外の要因でも増加すること、腫瘍がある程度大きくなるまでは明らかな高値にならないことから、腹部エコー検査などの画像検査の結果とあわせて判断されることがほとんどです。

ウィルスマーカー検査とは、肝炎ウィルスの感染の有無を調べるための検査です。

おもに、肝炎ウィルスがつくるたんばく(=抗原)と、抗原に対応してつくられるたんばく(=抗体)を調べます。

抗体は、その成因によっておもに2種類に分けられ、抗原のはたらきを失わせるためにつくられる「中和抗体」と、抗原となる異物が体内にいることを示す「感染抗体」とがあります。



このうち、中和抗体が体内にできている場合は、今後その抗原には感染しないことを意味します。

また、抗原、抗体のほかにウィルス遺伝子を測定することもあります。

なお、ウィルスマーカーは、A、B、C、D、Eの5つの型ごとに異なっており、確定診断までの検査の手順にもちがいがあります。

血液検査や尿検査には、肝臓・胆のう・すいの異常のサインとなる情報がつまっていますが、それだけで病気の確定診断をすることはできません。

そこで必要となるのが、肝臓・胆のう・すい臓の状態がどのようになっているかを目でみて判断するための、画像検査です。

なかでももっともよくおこなわれるのは、腹部エコー(超音波) 検査です。

画像検査のなかでは方法が簡単で、患者の負担が少なくてすむため、健康診断の基本項目として含まれている場合もあります。

さらに、腹部エコー検査ではみえにくい部位やがん病巣の広がり度合いを調べるときなどはCT検査を、それでも診断がむずかしい場合はMRI検査などがおこなうというのが、一般的な流れです。

<腹部エコー(超音波)検査>

患者の腹部の表面に超音波の発信機を近づけ、内臓に反射して返ってくる超音波をとらえて、内臓の状態を画像で映しだす検査法です。

肝・胆・すいの形状や病巣を画像でみることができるので、脂肪肝の発見や、慢性肝炎と肝硬変の識別などにも役立つ検査です。

<CT検査/MRI検査>

CT検査は、×線撮影機を使って、体の内部を輪切りにした状態で画像化する検査です。

MRl検査も、同様に輪切りにした状態の画像がみられる検査ですが、こちらは強力な磁場の中に体を置くことで、体内の状態を画像化する方法です。腹部エコー検査よりもくわしい情報が得られます。

<内視鏡的血管造影>

カテーテルという細い菅を脚のつけ根の血管から入れ、造影剤を注入しておこなう×線検査です。

血管の病変がはっきりと確認できるため、肝硬変やがんの診断に有効です。

同様の方法で、口からカテーテルを入れ、胆管やすい菅の状態をみることができる「ERCP」という検査法もあります。

<腹腔鏡検査>

腹部に直径1cm以内の小さな穴を開けて、そこから腹部用の内視鏡(腹腔鏡)を差し入れ、内臓表面の状態や色などを直接みる検査法です。

腹部に開けた穴から、肝臓などの組織を採取して細胞の病変を顕微鏡で調べたり(=生検)、手術器具を入れて手術をおこなうことも可能です。

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