アルコールを飲まない人の脂肪肝
脂肪肝の多くは、食べすぎやお酒の飲みすぎが原因ですが、なかにはお酒をほとんど飲まないのに、脂肪肝を経てアルコール性肝炎と同じような病態になるケースがあることがわかり、注目されています。
これは比較的新しい病気の概念で、「NASH(非アルコール性脂肪肝)」と呼ばれています。
今のところくわしい原因はわかっていませんが、脂肪肝に何か別の要因が加わることでおこるといわれています。
具体的には、肝臓内で脂肪酸が燃焼するときに生じる「活性酸素」や、炎症を促進する物質である「炎症性サイトカイン」による刺激、内臓脂肪に関係する「インスリン抵抗性」などがその要因と考えられています。
アルコールなどが原因の一般的な脂肪肝では、肝臓に炎症がおこったり、繊維化することはまずありません。
しかしNASHの場合には、肝臓につよい炎症がおこり、肝臓が繊維化するほか、肝細胞が大きくふくらむ「風船様肝細胞」になります。
こうした特徴は「アルコール性肝炎」と似ており、のちに肝硬変、肝がんへと進行するケースもあります。
現在、日本には脂肪肝の人が推定2000万人いるとされていますが、そのうちの70〜80万人がNASHとみられています。
NASHをほうっておくと、肝臓の繊維化が進み、10年後にはその1〜2割が肝硬変に移行するといわれています。
さらに、肝がんに進むこともあります。
NASHがおこる原因としては、内臓脂肪の蓄積やインスリン抵抗性があげられていますが、これは動脈硬化の複合型リスク症候群として注目されている「メタポリックシンドローム」にあてはまります。
実際にNASHの患者の約3分の2はメタポリックシンドロームの診断基準を満たしていますから、自分もあてはまるという人は要注意です。
また、NASHの人の75%以上が肥満していることもわかっています。
男性では30歳代以降、女性では閉経後がとくに太りやすい時期ですから、肥満しないように注意が必要です。
また、糖尿病を合併している場合も多くみられることから、少数ですが、体質が関係している場合もあります。
NASHの治療法とは、脂肪肝をまねいた原因を解消することです。
原因の多くは肥満などの生活習慣ですから、まずはこれまでの生活習慣を改善することからはじめます。
NASHの場合、体重を5%減量すれば、GOTやGPTの値が下がってきますので、まずは「5%減」を目標に減量するようにします。
減量の方法は、まず過食、偏食などの誤った食生活を改善し、少し減量できたら、ひざなどに負担のかからない程度に運動をおこなうようにします。
急激な減量は体によくないので、無理せず少しずつ減らしていきます。
次に、ほかに病気がある場合は、その治療をおこなうことも必要です。
高血圧なら食事の塩分を減らし、必要があれば降庄薬を用います。
糖尿病の場合は、薬物療法などで血糖値をコントロールします。
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