骨を丈夫に保つ

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骨を丈夫に保つ

たとえ病気を思っていなくても、QOL(生活の質)を著しく低下させるのが骨折で、からだの自由を奪い、行動半径を狭め、意欲さえも失わせます。

骨折の大きな原因は、骨がもろくなっていることです。

骨は人間のからだを支えるために、固く丈夫にできていますが、それは絶えず活発に新陳代謝を繰り返しているからです。

破骨細胞によって古い骨を壊し、骨芽細胞によって新しい骨をつくって、つねに丈夫でしなやかな骨を保っているのです。

このはたらきを骨代謝といいます。

しかし、20代半ばをピークに、その後徐々に骨のもととなるカルシウムの吸収や骨をつくるためのホルモンが少なくなり、骨をつくるより壊す量のほうが多くなります。

すると骨密度が低下して、スカスカになっていきます。

これが骨租しょう症です。

現在はとくに症状がなくても、いずれ腰痛や関節炎、骨折などを起こす可能性が大きいといえます。

現在、日本で骨租しょう症を患っている人は、総人口の10%弱、約1100万人いると推定されています。

70歳を超えると約2人に1人がそうで、男性に比べて女性は約3倍もかかる割合が高くなっています。

女性の場合、女性ホルモンのエストロゲンが骨の形成に関わっているのですが、閉経を迎えるとその分泌が減り、急激に骨密度が低下します。

それが女性に骨租しょう症が多い原因なのです。

骨租しょう症を放っておくと骨折しやすくなりますが、高齢者の場合、足の骨を骨折すると回復が悪く、歩行が困難になって、そのまま寝たきりになってしまうケースが少なくありません。



そうならないためにも、丈夫な骨を保つことが大事です。

それには骨の主要成分であるカルシウムを十分に摂ることと、運動をすることが欠かせません。

カルシウムの1日の必要所要量は、成人男性で700r、成人女性で600rとされていますが、ここ20年、一度も所要量に達していません。

それは、カルシウムが吸収されにくい栄養素だからです。

カルシウムの吸収率が高い食品を挙げると、牛乳が約50%、小魚が約30%、緑黄色野菜や海藻類が約20%となります。

また、発酵食品のヨーグルトを摂取した場合、カルシウムの吸収効率は牛乳の吸収率よりもさらにアップします。

カルシウムの吸収を助けるのはビタミンDで、干ししいたけ、鮭、マグロ、イワシ、サバなどに多く含まれていますが、ビタミンDは太陽に当たることで生合成されるので、1日10分程度、屋外で日差しを浴びるのもよいです。

さらに、骨を丈夫に保つはたらきがあるのが、ビタミンKです。

緑黄色野菜や海藻類、納豆などに多く含まれていますが、実は腸内細菌によっても合成されています。
そこで発酵食品により腸内環境を整え、産生量を増やすことも有効といえます。

<骨粗しょう症予防に効果的な食材>

ヨーグルト、チーズ、牛乳や小魚(カルシウムが豊富で吸収率も高い)

干ししいたけ、鮭(カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富)

ほうれん草(カルシウムとともにビタミンKも豊富)

納豆(ビタミンKを豊富に含むとともに、腸内環境を整える効果も高い)

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