お風呂で美容とは
美容法というと、とにかくお風呂を挙げる人がダントツに多いようで、自宅で半身浴をしたり、粗塩や入浴剤を入れてみたりという人も多いですし、また、ゲルマニウム温泉、岩盤浴などのちまたのお風呂美容も大ブームです。
日本人は古来風呂好きな民族で、全国各地の温泉が、それを象徴しています。
ちなみに朝、欧米人が簡単にシャワーを浴びるのは、歯磨きやトイレを含めた身支度の一貫にすぎません（シャワーと洗面台とトイレが一体化している住宅構造からも、それはうかがわれます）。
それに比べると日本人は、夜、風呂にゆっくり入る習慣があり、日本人にとってお風呂は一種のリラクゼーション的なものとなっています（最近ではレクリエーションともいえるかもしれません）。
しかし、そのお風呂で代謝が上がってやせやすくなったり、お肌がつるつるピカピカになるかというと、それはちょっと期待しすぎかもしれません。
お風呂の主な効果は温熱効果です。
要するに、外からからだを温めているということになります。
それは、筋肉の疲れをほぐし、血行促進にはなるかもしれませんが、あくまで一時的な効果に過ぎず、お風呂から上がれば当然体温は下がってしまいます。
根本的に冷え性が治ったり、代謝が上がるというものではありません。
代謝を高めるにはやはり運動が必要で、外から温めるのでなく、自分自身の力で体温を生み出し、血液をめぐらせることが代謝を高めることになるのです。
寝る時間をけずってまで半身浴しているという人がときどきいます。
ぬるま湯にみぞおちあたりまでつかるのを半身浴と呼ぶのですが、なぜそれがよいとされるのでしょうか。
日本では、高齢者が風呂場で倒れることが多いと、昔からいわれてきました。
お年寄りが、急な温度変化や水圧の関係で血圧に変調をきたし、脳溢血や心筋梗塞を起こすのです。
そのため熱いお風呂は避けてぬるめにすること、心臓に負担をかけないために半身浴とすることと、厚生労働省が安全指導をしているのです。
半身浴のほうがよいというのはそういう意味であって、若い女性がきれいになるためのものではありません。
半身浴にすれば、全身浴よりは当然温まるのに時間がかかります。
時間がない人の場合はむしろ全身浴にして、早めに上がって早めに寝たほうがよほど美容のためといえます。
また、あまり長風呂をするとお湯の中に皮膚のうるおいが溶け出して乾燥肌になりますので、入浴剤などで補うことが必要です。
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