水は1日2リットル飲む?
水はとにかく飲んだほうがよいと信じて、一生懸命飲んでいる人が多いようです。
でも、のどが渇いていないのに飲むのは、お腹がすいていないのに食べるのと同様、からだには有害なことです。
「水はノンカロリーだし、いくら飲んでもよい」などといわれていますが、そうともいえません。
飲んだ水は腸から吸収され、体内で使われたあとは腎臓で尿となって排泄されます。
この吸収や排泄の能力は、無限ではありません。
女性は特に腎機能があまり強くないですから、飲みすぎると腎臓のキャパシティを超え、排泄しきれなかった水はからだに残ってしまいます。
この水でからだがむくんで代謝が悪くなることを、東洋医学では「水毒」といいます。
たくさん飲めばたくさん排泄されて、毒素や老廃物もl緒に出ていくと思っている人がいますが、これは間違いです。
たくさん飲むと尿は薄まりますので、出ていく老廃物の量は結局同じです。
水道管を洗うように水で体内を洗うことはできないのです。
冷たいものがもっとも代謝を低下させますが、温かいお茶などでも摂りすぎればむくんで同じことになります。
「汗が出ない体質なので、代謝を上げようと思って水を飲んでいる」という人もいます。
でも、水を飲んだから汗が増えるというものではないので、ミネラルウォーターを持ち込んで半身浴しても無意味です。
そもそも汗をかくことに美容的なメリットはありません。
汗かきの人が肌がきれいかというと、逆に汗もなどのトラブルが多いくらいです。
毛穴と汗腺は別の穴ですから、汗で毛穴の老廃物が出ることもありません。
汗でやせることも当然ありません。
脂肪は油性のものですから、汗と一緒に排泄されることはないのです。
水は大事ではありますが、摂りすぎはいけません。
お花にとって水は命ですが、水をやりすぎれば育つどころか根腐れを起こします。
人間も同じことです。
「エアコンなどで乾いた部屋では、なるべく水を飲んでいます」という女性も多いですが、それも間違いです。
肌の水分は、角質層にある成分で、肌の水分を保つ役割をもつセラミドの量で決まります。
飲んだ水がしみ出して肌の水分になるということはありません。
人間はスポンジみたいに単純にはできていないのです。
セラミドは、肌のターンオーバーとともにつくられます。
すなわち寝ている間につくられるのです。
睡眠を十分とって、肌を健康に保つことができれば、セラミドの産生も高まります。
また、代謝の下がった肌は、セラミドが減って乾きやすくなります。
タバコ、運動不足、冷え、老化などが代謝を低下させる原因です。
生活面に気をつけてみてもどうしても乾くという人は、水を飲むのではなくセラミドを含む化粧品で補います。
セラミドを含むサプリメントなどもありますが、口から摂ったセラミドがそのまま吸収されることはなく、胃腸で分解されてしまいます。
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