二キビ跡ができると
ニキビは二つの悩みや苦しみをもたらします。
一つはできているときの悩みや苦しみで、もう一つは過去にできたこキビがニキビ跡として残ってしまうことによる悩みや苦しみです。
白ニキビや黒こキビの段階で、いち早く治療し、治癒させることが望ましいのですが、ニキビで悩んでいる人の大半が、炎症や痛みをともなう赤こキビや、それが化膿して重症化してしまって黄こキビにまで症状が進行してから治療するケースがほとんどです。
そのため、ニキビ治療のあとやこキビ治療と併行してニキビ跡治療を行うこともあります。
そうでないと、未来にずっと悪影響を及ぼすみにくいニキビ跡をつくってしまうのです。
ニキビが赤こキビや黄こキビの段階まで悪化していると、アクネ梓菌は炎症で毛穴の中の細胞壁に損傷を与えます。
つまり皮フの健全な組織を破壊して、瘢痕を作ってしまうのです。
このとき、洗顔やタオルなどでゴシゴシこすると、炎症がさらに悪化し瘢痕がいっそうひどくなる危険性があるので注意が必要です。
もちろん正しい洗顔はこキビ治療・予防に非常に有効なのですが、「間違った洗顔」や「過剰な洗顔」は逆効果になるのです。
この炎症が起こっている赤こキビ、膿まででる黄ニキビは、治った後も俗に「あばた面」「夏みかんの皮」「月面クレーター」などといわれることもあるデコボコが目立つニキビ跡が残る原因となってしまいます。
こうした場合では、炎症や化膿が皮フの外側の表皮層だけでなく、その下の真皮層の組織までダメージを与えていることもあります。
こうして組織が傷ついている状態に加えて、さらに強くこすったり指や爪でつぶすという物理的な力が加わると、真皮層がえぐれて皮フに「ニキビ跡クレーター(月面クレーター)」という大きな凹型の穴ができてしまいます。
真皮層までえぐれてしまうと、皮フの弾力や張りをつくっているコラーゲンやエラステンが生成・形成される組織が傷ついたり失われたりするために、元の健康な皮フの状態に戻りにくくなってしまいます。
またデコボコだけでなく、皮フが薄くなってケロイド状になつたり色素沈着が残ったりすることもあります。
赤ニキビや黄ニキビができているようなら、ニキビ跡をつくらないように一日も早く治療することが望ましいのです。
早期の予防治療によってニキビ跡を作らないのが一番なのですが、もしニキビ跡ができてしまっても、それ以上悪くしないように早期治療を行うことできれいに治る可能性が高くなります。
これらのニキビやニキビ跡は混在することも多く、総合的な治療方針が必要なことが多いのです。
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