小魚に含まれるエスターゼで肝臓を守る
魚に含まれる栄養成分が、世界的に見直されています。
特に頭からまるごと食べられる小魚には、私たちの健康や生活習慣病予防に役立つ成分がいろいろ含まれています。
それらの成分の一つで、近年特に注目を集めているものに、エラスターゼがあります。
エラスターゼとは、牛や豚の膵臓でつくられる酵素の一種です。
それが俄然注目されるようになったのは、血管の弾力性を保つと同時に、脂肪やカルシウムの沈着を防いで動脈硬化を予防するなどといった、さまざまな作用のあることが次々に明らかにされてきたからです。
老化や生活習慣病を予防してくれる有効な成分というわけです。
実際、心臓病、脂質異常症(高脂血症)、肝臓病、糖尿病などに効果のあることがわかって、治療にも使われはじめています。
このエラスターゼ、酒飲みにとって見逃せない成分でもあります。
エラスターゼには脂肪の分解を促す働きがあるのです。
この働きによって、肝臓の細胞に脂肪がたまって起こる脂肪肝が改善されることがわかっています。
また、肝細胞が線維化して肝硬変になるのを予防する働きのあることも、実験によって確認されています。
現に、慢性肝炎の患者さんにエラスターゼの製剤を与えたところ、肝機能検査の成績がよくなり、病状も改善します。
現在、治療薬として使われているエラスターゼは、豚の膵臓から抽出し製剤化されたものです。
ですから、その効能を得るためには、豚の膵臓を食べればよいわけです。
ところが、豚の膵臓はさまざまな有効成分の宝庫であるため、製薬メーカーがほとんど買い上げてしまい、なかなか入手することができません。
そこで、身近な代用食品としてぜひおすすめしたいのが、小魚類です。
わかさぎやししゃも、うるめいわしなど内臓ごと食べられる小魚には、エラスターゼに似た物質が含まれているからです。
おつまみにはもちろん、おかずにするなど、積極的に食卓にのせるようにします。
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