肝臓を傷めずに飲むお酒の量
「酒は百薬の長」といわれますが、それもほどほどの量での話で、すぎれば二日酔いや悪酔いを招き、ついには肝臓を傷める元凶と化します。
そこで気になるのが、どのくらいの量までなら肝臓を傷めることなく、アルコールを楽しめるのか、という点でしょう。
問題になるのは、お酒に含まれるアルコールの絶対量です。
ご存じのとおり、お酒は種類によってアルコールの濃度が違います。
概して、日本酒やワイン、ビールなどの醸造酒のアルコール濃度は、それほど高くありません。
日本酒なら15〜16度、ワインでは11〜14度、ビールは4度が一般的です。
一方、焼酎やウイスキー、ウオッカなどの蒸留酒は濃度が高くなります。
飲んだお酒のアルコール量(g数)については、次のような計算でおおよそを割り出すことができます。
たとえば日本酒1合(180ml)を飲んだ場合は、
180ml(飲酒量)×15度(アルコール度数)÷100×0.8(アルコールの比重)=21.6(g)
ということで、約22gのアルコールが体に入ったことになります。
日本人の場合、肝臓でのアルコール分解能力は、体重10sあたり、1時間に約1gとされています。
たとえば体重60sの人なら、1時間に6gほどのアルコールを分解するわけです。
この人が日本酒3合を飲んだときは22(g)×3(合)、つまり66gはどのアルコールが体に入ったことになります。
そのアルコールの分解にかかる時間は、
22×3÷6=11
という計算で約11時間になり、前日の夜、8〜9時にかけて飲んだ3合の日本酒がすっかり体から抜けきるのは、翌日の朝7〜8時ごろになるのです。
体内に入ったアルコールの90%は肝臓で分解・処理されますが、この能力には限界があります。
アルコール濃度が高いお酒を短時間に飲むほど肝臓の処理能力は追いつかなくなり、血液中のアルコールやアセトアルデヒドの量が多くなってしまうのです。
これが、悪酔いや二日酔いを起こす原因になります。
ですから、肝臓をアルコールの処理からせめて半日以上解放してやるためには、日本酒なら1日2合、ビールなら大瓶2本、ウイスキーならシングル4杯までが目安になります。
ちなみに、飲んだアルコールの量と肝硬変になる率を調べたデータによれば、毎日1〜2合飲む人が肝硬変になる率は飲酒しない人とはとんど変わらないのに、毎日3〜4合になると危険率は6倍、5合以上が10年つづくと13倍近くになるという結果が出ています。
お酒をどのくらい飲んだら肝臓が悪くなるかについては意見が分かれるところですが、次の点ではおおかたが一致しています。
すなわち、毎日3合以上を5年間以上飲みつづけるとアルコール性脂肪肝や肝炎になる条件が整い、5合以上を10年以上飲みつづけるとアルコール性肝硬変ができ上がる条件が整うということです。
これは、日本人のアルコール分解能力からも裏づけられます。
体重60sの人が1日に処理できるアルコールの最大量は144gです。
これを日本酒に換算すると6〜7合に匹敵します。
ということは、毎日6〜7合以上のお酒を飲んでいる人の肝臓は、一日中、休みなくフル回転させられていることになります。
これでは肝臓が悲鳴をあげて障害を起こす危険性が高くなるのも無理ありません。
お酒を百薬の長とするためには、飲む量を日本酒に換算して1日2合以内にとどめるのが得策といえるようです。
また、悪酔いや二日酔いを予防するには、飲酒の際に体調を整えておくことがたいせつです。
特に空腹での飲酒は二日酔いを最も起こしやすいので、「今晩一杯飲る」というようなときは、その日の昼食はしっかりとっておかなければなりません。
加えて、宴会などの直前にたとえ10分でも20分でも、横になることをおすすめします。
たったこれだけのことで、体調が驚くほどよくなるものです。
横になるのがなぜよいかというと、体を休めるだけでなく、肝臓への血流量が数十%もふえるからです。
肝臓の疲れがとれ、活力を高めることになるのです。
なお、酔いが回ってからも、横になったほうが肝臓に負担をかけません。
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