栄養過剰から肝脂肪になる
日本酒を約5合(900ml)ずつ1週間飲みつづけると、8日目にはほぼ確実に脂肪肝になるといわれます。
つまり、毎日の飲酒量が多いと、短期間で脂肪肝になる可能性が高いというわけです。
とすると、脂肪肝を防ぐには、アルコールさえ控えればいいのかと思われがちですが、実は、脂肪肝の発症は、アルコールのほかにも重要な要因があることが多いのです。
健康な肝臓は、おなじみの畜肉のレバーと同様、みずみずしい赤色で透明な光沢を持っており、脂肪が2〜4%程度含まれています。
ところが、なんらかの原因で肝臓の脂肪がふえ、その割合が10〜12%を超えるようになると、肝臓の組織に変化が起こります。
顕微鏡で見てみると脂肪滴(脂肪のかたまり)がたくさん認められるようになるのです。
この脂肪滴の大きなものを持った肝細胞が肝臓の半分以上を占めるようになった状態を脂肪肝というのです。
こうなると、肝臓はみずみずしいレバー色からちょうどまぐろのトロのような濁った色に変わります。
肝臓に脂肪がふえる原因は、アルコールのとりすぎのほか、酸素不足、ホルモン障害、栄養不足、薬物中毒などがあげられます。
しかし、実のところいちばん多いのは、食べすぎによる栄養過剰なのです。
脂肪肝そのものは、その原因をとり除けば比較的簡単に解消します。
たとえばアルコールによるものであれば、お酒をやめるだけで脂肪がとれて正常な肝臓に戻るのです。
しかし、知らないままにほうっておくと、慢性的な脂肪肝になって、肝臓の機能がしだいに低下したり、肝硬変などに移行していく危険性があります。
食べすぎによる脂肪肝は肝硬変にこそなりませんが、動脈硬化や胆石など、ほかの病気を引き起こす一因になりかねず、けっしてあなどれません。
さて、この食べすぎが原因の脂肪肝が、このところ40〜50代といった働き盛りの中年男性にふえつつあります。
小太りで、血色がよく、見るからに健康そうな人に案外このタイプの脂肪肝が認められます。
しかし、特にこれといった症状がなく、せいぜいスタミナがない、だるいといった程度であるためか、こういった人は、自分が栄養過剰のせいで脂肪肝を起こしていることに気づきません。
では、なぜ脂肪肝を起こすはど食べてしまうのでしょうか。
その原因は、実は長年の食習慣と関係があったのです。
一般に、食事の習慣というものは育った家庭の影響を受けながら、だいたい20才ぐらいまでにでき上がります。
そして、この食習慣の一要素である食事量は、中年以上になってくるとしだいに合わなくなってきます。
つまり人間は年をとると、若いときほどにはエネルギー(=カロリー)を必要としなくなるのです。
にもかかわらず、胃袋は小さくならないため、いままでの習慣ということで相変わらずモリモリ食べつづけてしまいます。
自分では腹八分目しか食べていないつもりでも、結果としてやはり消費エネルギーを上回る量をとっていることになるのです。
こうして余ったエネルギーは脂肪となって、皮下や肝臓にたまってしまうわけです。
肝臓などに脂肪をふやすものとしてとかく目のかたきにされがちなのが脂肪の多い食品ですが、実は、いちばんの犯人は、砂糖やごはん、パン、めんなどの糖質食品です。
これらの食品に含まれる糖質が肝臓で代謝されて脂肪になるのです。
ですから、日ごろつい食べすぎがちなこれらの糖質食品を減らせばいいのです。
ちなみに1食分のごはんの量は、小さめの茶わん1杯を目安にしたいものです。
糖質食品を減らす一方、肝臓にたまった脂肪を処理するためには、必須アミノ酸の多い良質のタンパク質も必要です。
タンパク質は、肝臓強化にいちばんたいせつな栄養素でもあります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2010年版」は、成人男性の1日のタンパク質摂取推奨量を60gとしていますが、脂肪肝を治し、かつ肝臓を強化するには、もっとたくさんの量が必要です。
さらにいえば、そのうち5割くらいは動物性のタンパク質にするのが理想的です。
肝臓をいたわるというと、とかく酒量を減らすことばかりに心を奪われがちです。
アルコールの適量を守ることはもちろんですが、40代に入ったら、食事は高タンパク質低脂肪のおかず中心に切りかえ、腹八分目でやめる食習慣にすることが大切です。
これが、脂肪肝を防ぎ、肝臓を強くする最良の方法です。
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