EPAやDHAが脂肪肝を代謝する
このところ、魚肉の脂肪分に多く含まれるEPA (エイコサペンタエン酸)やDHA (ドコサヘキサエン酸)という成分がたいへんな脚光を浴びています。
動脈硬化を予防する働きがあるというのがその主な理由ですが、実は酒飲みにとって気がかりな脂肪肝をも予防してくれることがわかっています。
ところで、毎日の食事で栄養源としているのは、タンパク質、糖質、脂肪の3つの栄養素です。
そして、これらの栄養素を1日あたり、エネルギー(=カロリー)換算でタンパク質12〜13%、糖質57〜68%、脂肪20〜25%の割合でとるのが理想とされています。
日本人の栄養摂取は、最近までこの適正な割合を保っていて、それが長寿国になった大きな要因であると考えられていました。
ところが、平成22年度の「国民健康・栄養調査」 (厚生労働省) によると、成人男性の44%、成人女性55%が、適正とされる脂肪摂取割合(摂取カロリーの25%)を超えています。
脂肪の摂取率が40%を超えている欧米諸国では、動脈硬化から起こる心臓病などの生活習慣病で悩む人がたいへんふえています。
当然のことながら、脂肪の摂取量がふえている日本も、生活習慣病の発症率が欧米のあとを迫っていることはまずまちがいありません。
したがって脂肪の摂取量をこれ以上ふやさないことがなにより望まれ、同時に、実は食品それぞれに含まれる脂肪の質についても注意する必要があるのです。
牛肉や豚肉に含まれる脂肪には飽和脂肪酸というものがたくさん含まれていて、とりすぎると、体内にコレステロールや中性脂肪などがふえてしまいます。
血液中にふえた脂質は血管壁にたまって動脈硬化を進め、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こすもとになります。
それだけではありません、皮下脂肪としてたまれば、肥満を招き、糖尿病などあらゆる生活習慣病の危険を増大させるのです。
このように、飽和脂肪酸のとりすぎは、いろいろな生活習慣病を起こす大きな危険因子となります。
ところがこれを予防するのに、魚に含まれている脂肪酸、つまり冒頭にお話ししたようなEPAやDHAが大きな役割を果たしてくれることが、最近の研究で明らかにされたのです。
牛肉や豚肉など畜肉の脂肪に多い飽和脂肪酸に対して、魚の脂肪に豊富なのは、多価不飽和脂肪酸という物質です。
名前こそ似ていますが、働きは逆で、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らすと同時に、動脈硬化を予防する働きをするいわゆる善玉コレステロール(HDl)をふやす作用を持っているのです。
そればかりか、多価不飽和脂肪酸には、体内の余分な脂肪を燃焼しやすくするとともに、中性脂肪が合成されすぎるのを抑える働きもあります。
つまり、多価不飽和脂肪酸をとつていると、肝臓にたまっている脂肪も減り、末梢にある脂肪組織も小さくなります。
このことがまさに、脂肪肝を防いでくれることにつながるのです。
このようなすばらしい働きをしてくれる多価不飽和脂肪酸の代表格が、EPAとDHAなのです。
これらは両方とも、いわしやあじ、さば、さんまなど背の青い魚に多く含まれています。
どの魚も私たちに身近なものばかり。生活習慣病はもちろん、脂肪肝が気になりだしたら、肉よりこうした魚を多くとる食生活に切りかえることが大切です。
なお、EPAやDHAをより多く摂取するという意味では、魚の調理は脂肪を落とさないような方法がおすすめです。
焼くよりは、煮て煮汁ごと食べるはうが損失は少ないわけですし、刺し身ならむだなくまるごととれることになります。
また魚の缶詰めも、脂肪成分がそこなわれずに含まれています。
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