食べながら飲む習慣をつける
本格的な酒飲みのなかには、えてして物を食べずにお酒だけ飲むのを粋だとする考え方があるようです。
冷や酒を満たした升のすみに塩を一つまみのせ、これをなめながらグイッとやる。
しかし肝臓のことを考えれば、これほど危険な飲み方はありません。
肝臓をいたわりながら、いつまでもお酒をおいしく味わっていくためには「食べながら飲む」ことがなによりたいせつで、習慣づけることが大切です。
物を食べながら飲むのがいい理由は、3つほど考えられます。
@物を食べることで、アルコールの吸収がゆっくりになります
すきっ腹で飲むと、アルコールの吸収が速くなり、血中濃度が急に高まって、肝臓への負担が大きくなりますが、物を食べることでそれを予防できます。
すきっ腹に強いお酒を飲むと、アルコールの作用で胃粘膜を傷めかねません。しかし食べ物が胃に入っていれば、その刺激をやわらげることができます。
特にタンパク質や脂肪を含んだ食品は胃粘膜を覆って保護してくれます。
B栄養を補給します
アルコールはエネルギー源となるだけで、ほかの栄養素はほとんど含まれていません。
お酒だけでは当然、栄養に偏りが生じますが、おつまみをとればそれがカバーされます。
また、アルコールの分解に必要な栄養素である、タンパク質やビタミン頼も補給できます。
動物実験でも、えさを与えたあとにアルコールを飲ませたほうが、空腹にしてアルコールを飲ませた場合よりも、肝障害の程度が低いことがわかっています。
なお、料理を食べながら飲むことでお酒のピッチがおそくなり、アルコールの吸収もゆっくりになるのです。
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