女性の睡眠障害の知識のルツボ
最近の調査によると、日本人の一日の平均睡眠時間は過去二〇年間で最短の七時間四二分となっており、この数値は一〇歳以上の人の平均値であり、世代別でみると、もっとも短いのは四五〜四九歳で七時間五分で、次いで、その前後の世代が短く、四〇〜四五歳、五〇〜五五歳とも、七時間九分です。
睡眠時間はどのくらいとるのがよいのか、最近のデータでは七時間前後の人が長生きしやすいともいわれていますが、睡眠には個性があり、一律に決めることはできません。
ただ、一日の睡眠時間の合計が五時間未満の場合は短時間睡眠といわれ、四時間三〇分以下の日が続くと、心身の健康に支障をきたすのではないかといわれています。
いずれにしても、日本人の場合、ここ一○年くらいは睡眠時間が確実に減っています。
残業や受験勉強など夜遅くまですべきことが増え、テレビやラジオ、インターネットや携帯電話、二四時間営業の店などの普及で、したいことを夜遅くまで際限なくできるのが現代で、二四時間という限られた時間の中で、睡眠時間を削ってやりくりしている人が多いのです。
午前中は仕事や勉強に身が入らない、日中に居眠りが出る、眠くてしかたがないという人のなかには、睡眠時間が短くなっていたり、熟睡できていない人が多くみられ、なかには、睡眠不足を自覚しないまま、居眠り運転や作業中の眠けのために、大きな事故を起こしている人もいます。
ストレスや忙しさのために、眠りたくても眠れない、眠ったと思うと起きてしまう、あるいは熟睡感を得られないなど、という人も多くいます。
日本人の五人に一人は、睡眠について何らかの悩みや不満を抱えているという調査があります。
睡眠は、一日の活動で疲れたからだを休息させ、必要な補修を行い、さらに翌日の活動に必要な力を準備する役割があります。
眠ることができるのは、人間に備わった大きな力の一つです。
睡眠不足や不眠などは、本来もっている「眠る力」を損なった結果であり、大きなツケがくる前に、眠る力を取り戻すことが必要なのです。
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