よい眠りを導く運動法
人間の脳は、寝る直前までの睡眠不足量をもとに、どれくらいの量と質の眠りをとったらよいかを計算するしくみをもっています。
何らかの原因で眠れない場合は別として、日中にしっかりと起きて脳を使っていれば、その日の夜には、必要な睡眠を十分補うことができます。
「脳を使う」ということは、知的活動のみではなく、内臓や運動器の活動など、脳の司令下にあるすべての活動をしっかり行うことを意味します。
つまり、日中に、規則的で活動的な生活を送ることができれば、それに見合った十分な質と量の眠りを得ることができるのです。
眠けは体温リズムと深くかかわっていて、日中に活動的に過ごして体温を上げておくと、夜はスムーズに体温が下がって眠りに就きやすくなります。
ただ、ふだんの生活で、完壁に活動的な生活を営むことはなかなか難しく、そこで重要な役割を果たす一つに、運動が挙げられます。
運動をすると、全身の血行がよくなり体温が上昇し、その後、二〜三時間すると、今度は熱放散が行われ、急激に体温が下がります。
このときが、眠りに就く好機なのです。
このため、夜の眠りのための運動は、午前中よりも、夕方から、寝る二〜三時間前の間に行うのが効果的です。
通常、体温は、夕方の六時ごろに最高に達し、このあたりから運動をとり入れると、体温がさらに上昇しやすくなります。
体温がストンと落ちる落差を利用することで、入眠しやすくなるのです。
ただし、激しい運動や息をこらえる無酸素運動は逆効果です。
かえって、疲れ過ぎてしまいます。
少し汗ばむ程度のウオーキングや自転車こぎなど、心地よい疲労感を覚えるものがおすすめです。
運動時間は一時間程度が理想ですが、一五〜三〇分程度でもかまいません。
時間がないからやらないのではなく、少しずつでも運動することで、よい眠りを自分のものにします。
毎日、あるいは一日おき程度でも続けると、脳が運動を行うことに慣れていき、それに合わせて体温のリズムが整っていきます。
適度な疲れは、自然の睡眠薬ともいわれ、夜に運動を組み込むことが難しい場合は、帰宅途中に一駅手前で降りて歩いたり、遠回りして歩くのもよいです。
ただし、体調がよくないときは、無理をしないことです。
運動は必ずしも屋外でする必要はなく、ウオーキングの代わりに、室内でテレビを見ながら、その場足踏みや、軽い体操をするのでもかまいません。
入浴後にストレッチングやヨガ、太極拳などを行うのもよいです。
筋肉をゆっくり気持ちよい範囲で伸ばすと、筋肉のこりがほぐれ、血行がよくなり、からだ全体が温まります。
手や足、首のあたりなど、体温が放熱しやすい部分を動かすことも、体温を上げておいてから、下げることによって眠りを誘います。
筋弛緩法では、筋肉を緊張させてから脱力(弛緩)することで、筋肉のこりをほぐすとともに、気持ちの面でのこりもほぐします。
肩回りの体操は、肩こりの解消にも役立ち、足の体操は、立ち仕事の人の疲労回復に効果的です。
デスクワークの人にとっては、足の運動不足を解消する効果があります。
くつろいでいるときに、手先や足先をブラブラと動かすのもおすすめです。
だんだん温まり、放熱しやすくなります。
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