眠りの時刻がずれる非二四時間睡眠覚醒症候群
昼夜逆転の生活が長く続いたり、一日中閉じこもっている生活が続くと、眠りに入る時刻が少しずつ後ろにずれていくことがあり、これを非二四時間睡眠覚醒症候群といいます。
体内時計の周期は、一日二四時間よりも長く、二五時間程度となっています。
体内時計を毎日二四時間周期にリセットしなければならないのですが、この病気ではそのリセットが行われないため、眠りに就くタイミングが後ろにずれてしまい、二五時間周期のままになってしまいます。
寝る時刻がずれる分、目が覚める時刻も後ろにずれていきます。
毎日、少しずつずれていくため、昼夜が逆転したり、それに近い状態が続く時期も出てきます。
睡眠相後退症候群では、遅寝遅起きのパターンが固定していますから、場合によっては夜間の仕事に切り換えるといった対策を講じることもできます。
しかし、この病気では、睡眠相が毎日ずれるため、生活リズムも一定に保ちにくくなります。
体内時計の乱れから、体調も狂いがちになり、社会生活にも適応しにくくなります。
社会生活に合わせていこうとすると、周期的に不眠に襲われたり、目覚めが悪くなったりします。
とくに昼夜逆転に近い状態にあるときに無理に起きていると、強い眠けに襲われたり、集中力が持続しにくくなり、イライラやあせり、頭痛やだるいといった症状も現れやすくなります。
症状が軽いうちは、規則的に起きて、日の光を浴びると体内時計がリセットしやすくなります。
睡眠日誌などで睡眠相のずれをチェックし、睡眠相が夜間の通常の時間帯にくる時点を見計らって、希望する起床時刻にカーテンを開けます。
光を取り込むことで、体内時計のある視床下部が刺激を受け、正しい時刻合わせができるようになります。
さらに、その後に活動的な生活をすると、眠りにつく時刻が後ろにずれにくくなります。
眠りに就く時刻の数時間前になったら、室内照明を落とし、休息モードにしていくことも大切です。
専門治療では、高照度光療法により、二〇〇〇〜一万ルクスの光を浴びて体内時計をリセットしていく方法があります。
たとえば、二三時に寝て、六時に起床したい場合は、眠りにつく時刻が二〇時ごろに近づいたら、翌朝六時から二時間程度、光療法を開始し、その後も光を浴びる時刻を固定すると、それに合わせて眠りに就く時刻が前進します。
治療は入眠時刻が固定するまで続けます。
この治療は睡眠の専門医にかかって正しい診断と指導を受けたうえで、照射器具を借りて自宅で行える場合もあります。
また、メラトニンを服用することもあり、薬は、睡眠相が望ましい時間帯に近づいた日から、希望する入眠時刻の四〜五時間前に服用します。
毎日変化する睡眠のタイミングをこまめに記録し、医師と服用時刻を相談しなければなりません。
高照度光療法ではビタミンB12をあわせて服用することもあります。
ビタミンB12には、体内時計の光感受性を高める効果があります。
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