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うつ病と神経症の違い
神経症を発症させる精神的な要因としては、人間関係、親しい人との別れや死別、転勤、結婚、引越しなどの環境の大きな変化、過労などがあげられ、うつ病と似ています。
神経症の症状は、うつ状態になる、元気がなくなる、不安感からイライラしたり、緊張したり、吐き気がする、不眠になる、などこれもうつ病に似ています。
しかし、症状が似ていても、本来、うつ病と神経症は全く別な病気ですので、次の違いがあります。
@原因あるいはきっかけ
神経症は環境や状況など発症の原因がはっきりしており、原因がわかっている神経症であれば、少なくともその原因となった問題を解決すれば直ると考えられます。
うつ病では、そうした環境や状況などはあくまでも発症のきっかけにすぎず、原因そのものははっきりしませんから、きっかけとなった問題が解決しても治らないことがほとんどです。
A不眠
神経症では、いろいろ悩んだり、考えたりして寝つきが悪いという入眠障害が多くみられます。
うつ病は夜中に何度も起きてしまう中途覚醒や朝早くに目が覚めてしまう早朝覚醒が特徴です。
B日内変動
うつ病は日内変動が特徴で、朝が特に調子が悪く、夕方から夜にかけて多少元気になりますが、神経症の場合は、逆に夕方から夜のほうが不安が強くなって、つらくなるといわれます。
C身体症状
どちらも身体面の症状として不定愁訴がみられます。
不定愁訴(ふていしゅうそ)とは、「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、何となく体調が悪いという自覚症状を訴えるが、検査をしても原因となる病気が見つからない状態を指します。
うつ病では便秘が多く、神経症では下痢が多いといわれます。
Dやる気
神経症では、趣味や興味のあることなら、やる気になることがありますが、うつ病の場合には全般的にやる気がなくなります。
E考え方
うつ病の場合は自分を責める傾向があり、これ対して、神経症では自分が被害者であるという意識が強く、このため他人を責める傾向があります。
F性格傾向
うつ病になりやすい性格としては、まじめ、責任感が強い、几帳面といった点があげられ、神経症になりやすい性格傾向としては、自己中心的ということがいわれています。
G自殺を考える
うつ病では死を考えたり、実際に自殺してしまうおそれがありますが、神経症の場合、自殺を口にすることはあっても、実際に実行することはあまりありません。
H治療薬
神経症の治療はカウンセリングが中心となり、薬は、不安やイライラ、あるいは不眠を改善するために、あくまでも対症療法として使われますが、うつ病の場合は、薬が治療の中心となります。
うつ病がんばるな!
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