肝臓病の治療に使われる薬
C型肝炎の治療には、インターフェロンが有効です。
これはもともと、ウイルスに感染した細胞がつくり出すたんばく質で、α、β、γの3種類があります。
抗ウイルス作用があるのはαとβで、天然の治療薬としてインターフェロンαとインターフェロンβがあります。
また、遺伝子組み換え技術でつくられた治療薬には、インターフェロンα−−2aやα−2b、コンセンサス・インターフェロン、ペグ・インターフェロンがあります。
インターフェロンを使用すると、ほとんどの人に何らかの副作用が現れます。
投薬開始直後にはかぜ症状が多く、使い続けると不眠、抑うつ、脱毛、血小板減少に伴う出血傾向などが起こります。
症状が強い場合は治療を中止することもありますが、ふつうは薬の量や投与期間を減らして治療を続行します。
インターフェロンの重篤な副作用に問質性肺炎があります。
治療中、せきが続くときは検査が必要で、疑いがあればただちに治療を中止します。
インターフェロンとの併用で抗ウイルス効果を発揮するリバピリンは、副作用として貧血を起こすことがあります。
そのため、ヘモグロビン値が一定量以上であることが投与の条件となります。
B型肝炎の治療には、主にラミブジン、アデフオビル、エンテカビルが使われます。
新しい薬剤が出そろったことで、症状に応じたさまざまな方法がとれるようになりました。
副作用としては、ラミブジンは頭痛、倦怠感など、アデフオビルは腎機能障害がありますが、いずれも軽く、重篤なものはほとんどありません。
いちばん新しいエンテカビルは、長期の使用実績がまだないのですが、副作用として頭痛、上気道感染症状があるものの、同様に軽いとみられています。
一般に肝庇護薬と呼ばれているものには多くの種類があり、ウイルス量を減らす作用こそありませんが、AST（GOT）・ALT（GPT）値の改善や、肝細胞膜の正常化などに貢献しています。
肝庇護薬の代表ともいえる強力ネオミノファーゲンシーは、甘草（漢方生薬）から抽出されるグリチルリチンを主成分とした注射薬です。
肝細胞膜の強化、炎症をおさえる作用があり、AST・ALT値を安定させます。
この薬の副作用としては、血液中のカリウムが減少して筋肉痛や脱力感が起こることがあるほか、使用量が多いと高血圧になることがあります。
また、甘草を含む漢方薬と併用すると、副作用が強くなるので注意が必要です。
胆汁酸からつくられるウルソデオキシコール酸は、漢方の熊の胆に当たり、胆石の治療に使われてきた薬です。
肝臓内の血流増加、胆汁の流れを改善、肝細胞の保護などの作用があり、AST・ALT値を改善します。
この薬は、内服薬なので使いやすいというメリットがあります。
副作用も、軽い消化器症状（胃部不快感、下痢、便秘など）がみられる程度です。
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