肝臓病をより詳しく調べる検査

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肝臓病をより詳しく調べる検査

血液検査と併せて行われるのが、超音波、CT、MRIなどの画像検査です。

これにより、肝臓の状態を詳しく知ることができます。

【超音波検査】

初診時でも簡単に受けられる検査で、健康診断などでも行われることがあります。

超音波の通りをよくするために腹部にゼリーを塗りますが、苦痛がなく、]線被爆の心配もありません。

肝臓の形状や病変が画像で観察できるので、脂肪蓄積の状態を調べたり、慢性肝炎と肝硬変を鑑別したりするのに有効です。

胆石や腹水の有無も、すぐにわかります。

また、肝がんがある場合、直径1Cm程度でも発見することが可能です。

【CT検査】

体に360度方向から]線を当て、横断断層をコンピュータで画像化して観察するものです。

人体を1Cm程度の間隔で輪切りにした画像が得られるので、超音波では見えにくい部位(横隔膜の真下など)や、肝臓のわずかな変化も、確実にとらえることができます。

肝がんの確定診断に役立っているほか、肝がんの治療効果を調べるのにも有用です。

]線をらせん状に照射して撮影する三次元CTでは、肝臓の立体画像を得ることができます。

【MRI検査】

体に強力な磁気をかけて撮影するもので、縦、横、斜めなど、さまざまな方向からの断面像が、得られます。

そのため診断能力が高く、CTでは診断が難しい場合に、この検査が行われます。

また、手術前には、がんの個数や血管との位置関係を把握することが重要になりますが、その際に役に立つのもMRIの断層写真です。

人間の体は、害をなすもの(抗原)が体内に入ってくると、それに対応する抗体″というものをつくって防御します。

肝炎ウイルスに感染すると、抗原や抗体、ウイルス自身の遺伝子などが血液中に増加してくるために、血液検査でこれらを調べれば、ウイルスの存在や感染状況などがわかります。

ウイルスマーカーとは、感染すると現れるこれら物質の総称で、肝炎ウイルス感染の目印になります。

ウイルス性肝炎の中でも、問題になるのがB型肝炎とC型肝炎ですが、そのウイルスマーカーは次のとおりです。

【B型肝炎ウイルスマーカー】

HB S抗原、HB S抗体、HB e抗原、HB e抗体、I gM−HB C抗体、HB C抗体、HBV−DNAがあります。



B型肝炎ウイルス(HBV)は、遺伝子であるHBV−DNAとHBC抗原が核となる部分にあり、ウイルス表面をHBS抗原が覆う構造になっています。

感染すると、HBS抗原が血液中に出てくるので、まずはそれを調べます。

陽性だとB型肝炎ウイルスに感染していることを示し、次にHBe抗原やHBe抗体、HBV−DNAを調べます。

【C型肝炎ウイルスマーカ】
HCV抗体、HCVコア抗原、HCV−RNAがあります。

C型肝炎ウイルス(HCV)は、遺伝子のHCV−RNA、HCVコア抗原、それらを包む表面たんばくから成ります。

検査では、まずHCV抗体を調べますが、陽性と出ても、過去の感染で現在はウイルスがいない場合もあります。

ウイルスの存在の有無は、HCVコア抗原やHCV−RNAで調べ、陽性だと感染していることを示します。

がんが発生すると、血液中に特殊なたんばく質や酵素、ホルモンなどが増えてきます。

これはがんが分泌しているもので、がんの種類によって物質の種類も異なります。そのため、腫瘍マーカーとして、がんの有無を調べる場合に用いられます。

肝がんの腫瘍マーカーには、主にAFP(アルファ・フエトプロテイン)とPIVKA−U(ピブカ・ツー)の2つがあります。

AFPは、胎児の血液や羊水中に含まれる糖たんばくの一種です。

健康な成人の血液中にはほとんど存在しませんが、原発性肝がんが発生すると急激に生成され、血中濃度が上昇します。

ただし、腫瘍マーカーで異常が見られても、それだけで肝がんの確定診断はできません。

PIVKA−Uも肝がんがつくり出す物質で、血液凝固因子の一種です。AFPが陰性でも高値を示すことがあるため、肝がんが疑われるときはAFPと併用して使われます。

肝生検とは、肝臓内部の組織を採取して、顕微鏡で調べる検査です。

超音波で病変の位置を確認しながら行うのが一般的ですが、腹腔鏡を併用して採取する場合もあります。

肝生検は、肝細胞ががん化しているかどうかを知るために行われますが、それだけではありません。

急性肝炎の場合、壊死の状態から肝炎ウイルスを特定することができますし、慢性肝炎の場合は、炎症と壊死の有無を調べることで、活動性か非活動性かの識別ができます。

また、線維化の程度から、慢性肝炎と肝硬変の区別もつけられるなど、肝生検は肝臓病の確定診断に欠かせない検査です。

通常、局所麻酔をして行われ、時間もそれほどかかりませんが、出血管理のために1〜2日の入院が必要です。

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