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定年後の仮面うつ病
太郎さんは60歳で定年退職し、定年になったら、あれもしたいこれもしたいと張り切っていたのですが、いざ定年になって毎日が日曜日という状態になると、暇をもてあまし、次第に元気がなくなってしまいました。
会社に勤めているときは、ほとんど毎日残業をしており、休日出勤も多かったので、定年になって自分の時間が自由になったら、これまでできなかったことがいろいろできると楽しみにしていました。
会社を辞めた直後は奥さんと2人で海外旅行に行きましたし、ゴルフも始めましたが、何をやっても楽しめず、そのうちに何をする気も起こらなくなってしまいました。
食欲もなくなり、夜も眠れなくなり、外出もせず、一日中家の中でゴロゴロするようになり、人に会うのも嫌がるようになり、たまに訪ねてくる孫にも会おうとしませんでした。
お金のことににも細かくなり、老後の蓄えがあるにもかかわらず、老後の生活に対する不安を口にするようになりました。
家族は心配になり、心療内科に受診させてみると、うつ病であると診断され、抗うつ薬を投与したところ、3ヵ月後には元気になりました。
太郎さんは定年に直面してうつ病になりましたが、仕事だけの人生を送っている人の中には、定年後、奥さんにまとわりつく濡れ落ち葉症候群になる人もいます。
会社と家の往復で、仕事以外の楽しみがなかったり、地域に友人がいなかったりすると、定年後は自分では何もできず、奥さんの後をついて回るのですが、奥さんのほうがストレスがたまり、夫婦関係がまずくなってしまうこともあります。
定年になってから、急に仕事にかわる生きがいを見つけようとしても無理で、早いうちから仕事以外の生きがいを見つけておくことが大切なのです。
うつ病がんばるな!
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