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仮面うつ病と胃潰瘍
花子さんは、衣料品店で働く24歳の女性で、一人で店番をすることが多く、客はあまり来ないので、忙しくはなく、ある時考え事をしていたら、突然、息苦しさ、不安、焦燥感を感じ、その後、微熱が出るようになり、そして生理不順、冷え性が悪化しました。
冷房が原因だと思っていたのですが、秋になっても症状は改善しませんでした。
その後、強い腹痛があったため内科を受診したところ胃潰瘍が見つかり、食欲も低下し、体調が悪いことを自覚していたので、納得しました。
薬をきちんと飲み、生活にも注意していたのですが、半年経っても症状が改善しないため、友人に勧められて心療内科を受診しました。
症状を聞いてみると、不眠にも悩んでおり、症状にはっきりした日内変動があり、腹痛が起こったときは、ボーイフレンドと別れた直後でした。
症状から仮面うつ病も疑い、抗うつ薬を投与すると、3週間後に腹痛は劇的に改善し、夜もよく眠れるようになりました。
胃潰瘍も症状が悪化することなく、治っており、胃潰瘍は仮面うつ病の症状として起こったものと考えられます。
症状が改善して、花子さんは生きていてよかったという言葉を漏らしたのです。
若い人でも、うつ病であることに気がつかず、体の病気の治療だけを行っていると、自殺をしてしまう危険性があるのです。
胃潰瘍のようにはっきりした体の病気があっても、なかなか症状が改善せず、うつ病でよくみられる症状がある場合は、仮面うつ病を疑って診察を受けることが必要です。
うつ病がんばるな!
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