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子供の巣立ちと仮面うつ病
花子さんは55歳の主婦で、周囲の人から頑張り屋の奥さんといわれていました。
子供を塾に通わせ、長男も長女も有名大学を卒業し、大企業に入ることができました。
長男は、最近家を出て一人暮らしを始め、長女と夫の3人で暮らしており、夫は仕事一筋で、家にいるときも書斎にこもり、子供のことはすべて花子さんが取り仕切ってきました。
長女の結婚が決まり、その準備のため買い物に出かけたところ、突然、デパートの近くの路上で激しい動悸に襲われ、倒れてしまい、救急車で運ばれました。
病院で検査をしても、体には異常はなく、症状もずっと治らないため、心療内科を受診したところ、うつ状態が認められました。
夫は全く相手にしてくれず、家にいるときは独房にいるようなさびしい気持ちだったことがわかり、また子供が唯一の支えで、その子供たちが独立し、自分の全てを注いでいたものが失われたため、心の中に穴が開いてしまったような喪失感にとらわれていたのです。
多忙ながらも充実した愛の巣であった家庭が、子供の独立で空になってしまった空虚感や離別感・孤独感を感じていると推測し、空の巣症候群と診断されました。
空の巣症候群の場合は、抗うつ薬だけでなく適切なカウンセリングを行い、夫や子供が母親のさびしい気持ちを理解してサポートするようにならないと症状は改善しないのです。
うつ病がんばるな!
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