|
仮面うつ病で腰痛
花子さんは67歳の女性で、腰から下の痺れを訴えて整形外科を受診し、検査したところ第四腰椎に脊椎すべり症がみつかりました。
脊椎すべり症は、きちんと積み重なった状態になっている脊椎が、横滑りを起してズレてしまう病気です。
脊椎すべり症があっても必ずしも腰痛が起こるわけではありませんが、ズレが大きくなると神経を圧迫して炎症を起こし、腰痛などの症状が現れます。
花子さんの場合、ズレは大きなものではありませんでしたが、症状が改善せず、症状の訴えも脊椎すべり症の一般的な場合とは違っていることから、心理的な要因もあるのではないかということになり、心療内科を受診しました。
花子さんは1年前に乳がんの手術を受け、医師からは早期の発見で再発の心配はないといわれていました。
花子さんは、乳がんの手術からちょうど1年経過し、もう1年経ってしまったという思いが強くなり、腰が痛くなってきた、と言うのです。
それが原因で、食欲がなくなり、腰の痛みがひどくなったとのことでした。
花子さんのような考え方はうつ病の人によくみられるもので、普通の人は、1年間再発もなく無事に過ごせたらひとまずはほっとするのですが、うつ病の人は、もう1年過ぎてしまった、私の命のうち1年が減ってしまった、と考える傾向があるのです。
悲観的になり、物事を悪いほうへ悪いほうへと考えてしまうのです。
花子さんはうつ状態が認められ、仮面うつ病と診断され、抗うつ薬を投与したところ、腰痛は改善してきたのです。
うつ病がんばるな!
スポンサードリンク
|