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仮面うつ病と仮性痴呆
物忘れがひどくなった、今までできた簡単なことができなくなったことから、本人や周囲の人がボケてしまったと言う場合も、診察を受けたらうつ病であることがわかったということがよくあります。
うつ病でありながら、一見痴呆のように見える状態を仮性痴呆といいます。
仮性痴呆は、仮面うつ病と同じように痴呆という仮面をかぶっているうつ病なのです。
高齢者がうつ病になると、胃腸の調子が悪い、肩がこる、頭痛がする、めまいがするなどと身体症状ばかりを訴えることも多くなります。
老人性痴呆は、脳の神経細胞が障害を受け、ついには消滅してしまう病気で、知能の低下を起こします。
一度消滅した神経細胞は元には戻りませんから、発病すると治すことは困難なのです。
ですので、仮性痴呆と老人性痴呆は医学的に全く異なる病気なのです。
判別するには、うつ病の場合の発症の仕方、症状の経過に次のような特徴があります。
@発症の経過がはっきりしている
その人にとってショックとなる出来事があったときから1〜3週間たってからボケのような症状をみせるようになったときは、うつ病の疑いがあります。
A症状に日内変動がある
午後から夜にかけてのほうが調子よくなり、夜になると意思の疎通ができるようになることもあります。
Bうつ病の既往歴がある
若い頃、うつ病になったことがある人は、高齢になってうつ病になると仮性痴呆になりやすくなります。
老人性痴呆には、脳の血管が詰まることによって起こる脳血管性痴呆と、脳の神経細胞が徐々に消失するために起こるアルツハイマー型痴呆があります。
いずれの場合も初期にはうつ状態がみられることがあり、最初はうつ病として治療されていた症例が、徐々に痴呆状態がはっきりしてきて、最終的には老人性痴呆と診断されることもあります。
うつ病がんばるな!
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