健康の知識のルツボ
健康診断の結果によって、食事が制限されたりしますが、実際食事制限するほどではないことが多いのです。
たとえば、コレステロールについては、多くの人が頭を悩ませています。
健康診断すれば、必ずコレステロール値は計りますし、これが高いと指摘される人が非常に多くなっていますから、「コレステロールを下げる」と銘打った食用油が人気になったりするのです。
コレステロール=悪者で、これは完全に定着してしまっています。
コレステロール悪者説が登場したのは、1913年にロシアで、うさぎにコレステロールの高いエサを与えたところ、動脈硬化が起こったという実験がきっかけでした。
その実験は、いったんは問題があって無効になったのですが、その後、アメリカの疫学調査でコレステロール値の高い人ほど心筋梗塞のリスクが高いという結果が出て、それが世の中の医学常識になつてしまいました。
しかし、アメリカ人と日本人とは食事の内容がまったく違い、日本人は飽食だと言われますが、アメリカ人に比べればかわいいものです。
アメリカでは、1日に3500キロカロリー以上をとっている人は珍しくなく、肥満の人がそこら中にいます。
それに対して日本人は、2000キロカロリーくらいしかとっておらず、コレステロールを気にするはどの摂取量ではないのです。
コレステロールという言葉、当たり前のように使っていますが、そもそもコレステロールとは何なのか、きちんと知っている人は少ないと思います。
専門家でない限り、コレステロールのことを突き詰めて考えることはありません。
しかし、相手が何者かも知らずに、みんなが悪い悪いと言うから悪いと思ってしまうというのは、まさしく風評被害です。
コレステロールが何者か、少しでも知れば、本当に悪者かどうかがわかってくると思います。
体が何から作られているかというと、もちろん細胞です、成人で60兆個の細胞からできていると言われています。
細胞は、1個1個が細胞膜と呼ばれる膜で仕切られています。
この膜を作っている主成分がコレステロールなのです。
また、各種ホルモンを体内で合成するときにもコレステロールは欠かせません。
つまり、細胞やホルモンという人間が健康に生きていくために不可欠なものの原料となっているのですから、コレステロールがないと、大変なことになってしまいます。
しかし、多すぎると良くないということで、健康診断では、総コレステロール値で220r/dl以上あると「高い」と診断されて、食事を指導されたり、薬を処方されたりします。
ところが、この数字に疑問を投げかける医師や研究者が増えてきています。
たくさんの研究者がコレステロールと健康や寿命に関する調査・研究を行っていて、その結果が、これまでの通説とはまったく違うことがわかってきているのです。
さまざまな調査から見ると、コレステロール値を200r/dl以上と以下に分けて寿命を比べた場合、高いグループのほうがずっと長生きだということがわかっています。
コレステロール値が低下すると体にさまざまなトラブルが発生します。
血管が破れやすくなったり、免疫力が低下するといったものです。
コレステロールが少なければ、常に分裂している細胞の細胞壁を作る材料が不足し、質のいい細胞ができるはずがありません。
ホルモンも不足する危険性があります。
日本人を対象とした大規模な調査研究では、次のような報告をしています。
・コレステロール値が高くても低くても、死亡のリスクは大きくなるが、むしろ低いはうが、リスクはより大きくなる。
・総死亡率のリスクがもっとも小さいのは、総コレステロール値200〜280mg/dl、この範囲であればリスクは変わらない。
・コレステロール値が低いはど、がん死亡者が多く、総コレステロール180未満のがん死亡者は、同280以上の人の約5倍です。
健康診断で、コレステロールが高いと言われて、肉食を減らして薬を飲むのは得策かについて、300r/dlまでなら大丈夫と考えられます。
300を超えたときには、何らかの対処が必要ですが、それまでは放っておけばいいし、肉を食べたからといって、そう簡単にコレステロール値が上がるというものでもありません。
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