健康オタクのほうが病気になる?
世界中に衝撃を与えた調査結果があり、これは、社会保障制度が非常に進んだ北欧の国・フィンランドで行われました。
この国は定年退職をした後も年金で十分に暮らしていけるし、介護も非常に手厚くて、世界中からうらやましがられています。
しかし、その一方で、あまりにも至れり尽くせりなので、国民の健康への意識が低くなってしまっているという逆効果も出ていました。
そこで、国は、どういう方向で国民に健康管理をうながせばいいか調査をすることにしました。
1974年から15年かけてやろうという大がかりなもので、まず、生活環境が似ている裕福な実業家層に協力をあおぎ、健康ではあるけれども、循環器系の弱い40〜50歳の男性1200人を2つのグループに分けました。
ひとつは、真面目に健康管理をするというグループで、もうひとつが何も健康管理をせず、放ったらかしにしておく、いわば不真面目グループです。
真面目グループは、最初の5年間、4カ月ごとに健康診断を受け、数値が目標値より高ければ薬を処方しました。
食事や運動のアドバイスもていねいに行われ、喫煙ヤアルコール、砂糖、塩分も控えるように指導されました。
こういう管理をしていれば、間違いなく数値的にはすばらしく改善されていくという理想的な環境に置かれました。
一方の不真面目グループは、定期的に健康調査票に記入する以外、何の制約もありませんでした。
5年間が過ぎ、残りの10年は、真面目グループにも特別な指導をせず、自己管理に任せ、15年が経過しました。
被験者たちは、55歳から60歳という体にガタがくる年代となっていました。
多くの人の想像に反して、不真面目なグループのはうががんなどの病気による死亡、自殺、心霊管系の病気、高血圧、どんな側面から見ても結果が良かったのです。
真面目グループの中には自殺者が何人かいましたが、不真面目グループでは一人も自殺していませんでした。
これは、コレステロールを下げるための薬によってうつ状態になったという可能性もあります。
検査数値にばかりこだわって、薬でコントロールするのはけっこう大きなリスクがあるものです。
それに、あまりにも健康管理に神経質になるのは、免疫という面から言っても、マイナスに働くことのほうが多いのです。
実際、健康オタクのような人が、若くしてがんになったり、脳溢血で倒れたりといったことが、身近で起こっているのです。
必要以上に健康を意識しないほうが健康に生きられるのかもしれません。
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