免疫力を鍛えるにはばい菌を入れる?
善玉菌と悪玉菌は、単純に区別できないというのが、生命の面白いところです。
コレステロールなどは、悪者と決めつけて、それをある一定のレベルに下げようとします。
それが医療の基本でしたが、コレステロールを下げると、さまざまな弊害が出ることがわかってきました。
むしろ、ある程度高いほうが、生きる力から言うといいのです。
腸内細菌も、善玉とか悪玉という言葉がついているので、善玉ばかりにすればいいと思いがちですが、そうではないのです。
たとえば、バクテロイデス菌という腸内細菌があります。
これは、人間にとってとても有用なビタミンを産生する菌で、そういう意味では、善玉菌なのですが、その一方では発がん物質も作り出します。
また、大腸菌というと悪玉菌とされていますが、大腸菌の働きが、善玉菌である乳酸菌にいい影響を与えていることがわかってきています。
善の中にも悪があり、悪の中にも善かあり、なかなか二元論では片付かないものがあるのです。
要は、バランスで、腸内の環境は、善玉菌がやや多いくらいのバランスがちょうど良くて、免疫力がよく働ける環境でもあるのです。
環境でも同じことが言え、今は、清潔指向で、何でもかんでも「抗菌」とか「殺菌」で、手洗いやうがいも意味がないとは言いませんが、必要以上に神経質になるのはよくないのです。
インフルエンザが流行すると、だれもがマスクをしますが、マスク人間が行き交う町というのは異常な光景です。
インフルエンザが流行しているとき、15〜20%が休んだ場合、学級閉鎖となります。
40人のクラスなら、6人から8人がインフルエンザで休めば閉鎖となるわけです。
そのまま授業を続けていれば全員がインフルエンザを発症するかというと、決してそんなことはありません。
せいぜい、半分が熱を出すくらいです。
意外と手洗いやうがいをしっかりとやっている人に限って、熱を出したりしますから、免疫力もある程度、ばい菌やウイルスを体に入れたほうが鍛えられるのです。
ばい菌やウイルスが入ってこなければ、NK細胞も働き場所がありません。
どんなものでも、働かないと退化していき、NK活性も落ちていきます。
あまりにも清潔な環境で生きていると、それに応じた免疫しか育っていきませんので、ちょっとした悪党の侵入によって寝込んでしまうような弱い体になってしまいます。
日本人がアジアなどを旅したとき、水で下痢をすることがあります。
歯を磨くのもミネラルウオーターを使ってくださいと言われるくらいです。
でも、現地の人は、平気でその水を飲んで、下痢をすることもありません。
日頃から飲んでいるから、それに対応できる体になっているのです。
免疫力も、スポーツ選手と同じで、トレーニングが必要です。
ときには、手を洗わずに食事をしてみることも、免疫力のトレーニングにいいかもしれません。
マスクなしで外を歩いてみてください。
手洗いやうがい、マスクで防げるような病原菌やウイルスは大したものではなく、本当に恐い細菌やウイルスは、そんな小手先の技術では防ぐことができないものです。
しかし、どんなにすごい細菌やウイルスが広がっても、人類は決して滅亡しません。
必ず、その外敵に対応する免疫力をもつ人がいるし、免疫力は環境によって育てられ鍛えられるから、必ず生き残れます。
そのためには、まずは腸を大切にし、腸内細菌のバランスを整えるような生活をする、それが、手洗いやうがいよりも、もっと有効な対策なのです。
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