自賠責保険の請求
自賠責保険とは、正式には自動車損害賠償責任保険といい、自動車損害賠償保険法で規定されております。
この目的は、被害者の損害できる限り確保してやり、加害者側の賠償能力を一部でもカバーしてやろうというところにあります。
そのため、すべての自動車を、この保険に強制加入させると同時に、賠償責任を無過失責任に近づけて、賠償ができる限りスムースにいくよう配慮されております。
また保険金の支払請求は、加害者のみ(契約者)ではなく、被害者から直接請求することもできますし、生活困窮者には、仮払金を支払うという方法もできております。
そのため、加害者としては、示談にあたっては、保険金の支払額を予定し、あるいは被害者側から請求するのか、加害者側から請求するのかを決定しておきませんと、後日問題が生ずることになります。
示談もせずに放置しておいたため、被害者がやむなく保険金請求をしたなどとなりますと、情状は悪質だと評価されかねない結果になります。
保険金の請求は、@事故証明、A診療明細、B休業証明、C領収証等の書類をととのえて、保険会社の窓口に提出し、調査事務所の査定を経たうえで、保険会社から現実に支給を受けるまでには、ほぼ一か月くらいかかります。
ところで、加害者請求は原則として示談の成立が前提となります。
そこで、示談の際には、あらかじめ保険会社と相談して、必要な書類をとりまとめて準備しておき、また支払われるであろう額を予定して、折衝にあたったほうがよいと考えられます。
また、必要な書類のうち相手方からもらうもの、たとえば診断書、診療明細書、休業証明書などは、示談成立の際に、こちらから金銭支払いと引きかえに受領しておくように、協議しておく必要もあります。
加害者側の保険金請求は、示談の成立と支払いの事実が原則として必要です。
刑事責任に対する示談成立の影響は、前に述べたとおりですが、賠償金を支払ったか否かも、情状に影響する事実です。
したがって、加害者としては、まず自ら支払っておき、後日保険金の加害者請求をするほうが無難です。
保険金請求の時効は支払ってから二年間もありますから、あわてずに手続きをとります。
示談が裁判に影響を与えるのは、示談の成立の有無よりは、誠意をつくして謝罪し、被害の賠償をしたかにあります。
強制保険金のみで示談に成立させ、加害運転者としては一銭も支払いをせず、何も腹を痛めなかったとなりますと、有利な事実としては刑にほとんど影響しません。
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