ねずみ捕りで速度違反といわれた
自動車は走る凶器といわれます。
速度が増せば増すほどその危険も増大します。
速度規制の目的がその危険の防止にあることは、誰でもわかっていることです。
しかし速度違反は跡を絶ちません。
速度違反は交通三悪のうちの一つで、大事故を避けるためにも、運転者の自覚が要求されます。
しかし、警察の規制とその取締りには問題はないでしょうか。
速度規制には二つの種類があります。
一つは車両の種類によって定められた法定速度で、もう一つは道路状況などによって定める指定速度です。
この指定速度の規制は警察(正確には都道府県公安委員会)が行いますが、それは果たして妥当なものでしょうか。
多くの道路は四〇km/h〜五〇km/h制限です。
しかし、五〇km/h〜六〇km/hまではつかまらないというのは今や運転手の常識といってもよさそうです。
人間は自分の痛みは忘れません。
それだけに違反に対して厳罰を科すことも効果があります。
しかし、いま一度、速度規制の目的は何かを考えてみる必要があります。
危険の防止が目的です。
その目的達成のためには違反するのを待って指摘しなくとも、その前に注意をするだけで足ります。
また違反があっても、反則金を必ず科さなければならないものではなく、注意によっても違反はやみます。
取締目的達成にはそれで十分なはずです。
ねずみ捕りのように警察官が身を隠して違反を摘発するという取締りのやり方は、危険防止のための規則という本来の目的からはずれたもので、取締りのための取締りといっても過言ではありません。
ですからその反面、ねずみ捕りを事前にキャッチする機具などが売れ出され、隠れたベストセラーになるという病理現象まで起こる始末です。
これではまるでたぬきときつねのばかし合い、いたちごっこです。
そしてまた、その速度を測定する機械も、最近はかなりに正確になったとはいえ、違反車両を誤認した例も報告されています。
警察が、ねずみ捕りのような方法をとるかぎり、警察の財政のために反則金を科しているのだという、うがった見方も出てきて、決して運転者の法を守ろうとする精神は育ちません。
超過速度量により、三〇キロ(高速道路は四〇キロ)オーバーまでは反則金として処理されますが、それ以上は刑事処罰の対象となります。
この処分の差異に対応して、次々とその取締方法が機械化されてきました。
すなわち、最も古典的な追尾式(パトカーが違反車両を追尾し、当該パトカーの速度計をもとに違反車両の速度を間接的に推定する方式)に代わって、光電式、レーダ式等の機械を使用したものが続々と改良されて登場しています。
光電式は、測定器から発射されるビーム(光線)をさえぎり、七メートル離れたもう一つの測定器から発射されるビーム(光線)を再びさえぎるまでの時間を計算して速度を割り出すものです。
この方式の弱点は、測定器の設置を正確に行わないと誤差を生じる点にあります。
すなわち、二つの測定器の路面からの高さを同一にしないと、ビームをさえぎる車の部分が一方はバンパー部分であるのに他方はフロントガラス部分であるという結果を生じ正確な速度計測ができません。
また、二つの測定器を道路と正確に平行の位置に置かないと車が二つの測定器を通過するまでの距離が七メートルにならずやはり誤差が生じます。
このように、光電式では、いくら機械が正確に作動しても、その測定方法に誤りがあれば、計測結果の正確性は担保されません。
レーダー式は、測定器から発射された超極短波が車にあたってもどってきた際の周波数を測定し、その周波数の変化によって速度を測定するものです。
ちなみに、プロ野球の球速測定に用いられるスピードガンも同様の原理です。
しかし、極短波は直線的に(光電式のように)移動するのではなく、いびつな楕円形の面として伝わっていきます。
したがって、その楕円形のどの位置に車がはいるかで超極短波の力が異なり、誤差を生じるばかりでなく、前後左右の他の車がその楕円の面の中にはいってしまうことがあり、測定結果がどの車のものであるか不明であるという欠点をもっています。
オービスVは、測定の結果、違反があれば自動的にカメラが作動し運転車両と運転手を特定するという無人の測定器による方式です。
この方式については、肖像権ヤプライバシー等の憲法上の問題が取り上げられているほか、違反現場におけるドライバー防御権の行使ができないという結果を生み、ある日突然反則金の納付書が送付されてくることになります。
以上のように、最近は追尾式から機械の導入によって測定結果の正確性は上がってきました。
しかし、機械が測定したからといって、それが確実絶対のものでないのです。
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