理想のたんぱく質とは
たとえば、鶏肉を食べたとき、この鶏肉はそのまま私たちの肉になるわけではありません。
まず鶏肉を食べると、胃や腸の中を通って消化され、最終的には全部アミノ酸にまで分解されます。
肉はたんばく質ですが、たんばく質はアミノ酸からなっているからです。
さて、アミノ酸にまでバラバラに分解されると、それらのアミノ酸は腸から吸収されて肝臓に集まります。
肝臓はバラバラになったアミノ酸をつなげて、今度は人間のからだに合ったたんばく質をつくり上げるのです。
このようにして、鶏肉ははじめて人間の肉になるのです。
人間の肉と鶏肉のちがいは、たんばく質をつくるアミノ酸の種類と配列の順序がちがうのです。
人間には人間に必要なたんばく質があり、鶏とはちがう、ということです。
人間に必要なたんばく質とは、人間に必要なアミノ酸をすべてもっているたんばく質ということです。
体内で合成されないので、必ず食物として補わなければならない8種類のアミノ酸(必須アミノ酸)を含んでいるたんばく質ということになります。
それこそ理想のたんばく質ということができます。
栄養学では「プロテインスコアのよい、またはケミカルスコアのよい、最近ではアミノ酸スコアのよい(必須アミノ酸の種類と量を多くもっている)たんばく質」といいます。
理想のたんばく質とは、卵であり、牛乳であり、肉や魚であり、大豆です。
卵は、人間に必要なすべてのアミノ酸を含む完全食品です。
卵からヒナが生まれ育つのですから、卵の中には、たんばく質以外にも多くの栄養が含まれています。
牛乳も、完全食品で、子どもは、牛乳だけでも大きく育つといってもよいのです。
牛・豚・鶏などの肉、また魚にもいろいろな種類がありますが、ほぼ完全食品と考えてよいのです。
ただし、えび・かに・貝類にはやや足りないものがあります。
摂取する肉の種類には大きなちがいはありませんが、しいてあげれば、牛肉ならヒレ、豚肉ならもも・ヒレ、鶏肉なら皮は脂が多いのでもも肉など、脂の少ないところなら、なおよいのです。
大豆は「畑の肉」ともいわれ、今までは足りないアミノ酸があるといわれていましたが、1986年発表のアミノ酸スコアでは、100、つまり完全なものだということになりました。
大豆はそのまま煮ても食べますが、とうふ、なっとう、油揚げなどと、いろいろ加工して食べることができます。
ですから、これら理想のたんばく質は、どれか1つでも1日1回(できれば毎食)はとるべきです。
理想のたんばく質をとるのはもっともよいことですが、毎日そればかりとるわけにもいきません。
貝の場合は、トリプトファンというアミノ酸が足りません、米はリジンが、じやがいもはロイシンがそれぞれ足りません。
しかし、これらを組み合わせて食べるのです。
たとえば、貝に足りないアミノ酸を米で補い、米に足りないアミノ酸をじゃがいもで補うのです。
このようにして、食品をいろいろと組み合わせますと、完全なたんばく質となるのです。
といっても、いちいち覚えて、計算して料理するわけにもいきませんから、理想のたんばく質の食品を必ず少なくとも1つを使って、あとはいろいろと組み合わせて料理をするようにします。
理想のたんばく質でなくても、野菜だけでも、うまく組み合わせれば、たんばく質としては満点になります。
たとえば、大豆に緑黄色野菜と海藻を組み合わせてもよいのです。
そうすれば、菜食主義者であっても、たんばく質不足にはならないのです。
動脈硬化が心配な人は、コレステロールの多いものはそうたくさんとりたくはありません。
その場合は、卵や肉はやや減らしぎみにし、魚や大豆製品を主とすればよいのです。
動物たんばくと植物たんばくは半々がよいといわれますが、植物たんばくのほうを多くしてもかまいません。
「1日30品目の食品を使った献立をとりなさい」と厚生労働省が指導しておりますが、これは、たんばく質をとるためにも、ビタミン、ミネラル、食物繊推の面からも、また、がん予防のためにもよいのです。
「1日30品目を含んだ食品」というと、「そんなに食べられない」と思う人もいるかもしれませんが、ごはん、みそ汁、みそ汁の中に魚のだし、とうふ、わかめが入り、おひたし、卵焼き、のりがあればそれだけでも8種類になります。
ひとつひとつの量は少なくてもよいのです。
大切なのは種類を多くとることです。
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