急性肝炎は安静で治療
A型肝炎ウイルスによる急性肝炎のはじめの症状は、体がだるく、栄養をとることもできません。
ですから、なるべく入院して十分な治療を受けることが必要です。
まず安静を守ったうえで、ぶどう糖の点滴を行います。
5〜10パーセントのぶどう糖を1日に500〜1000ミリリットル、そしてその中にビタミン剤をたっぷりと入れます。
たとえばビタミンB1、B2、B6、B12、Cなどです。
これによって肝臓に栄養を補い、エネルギーを与え、肝臓の血流量を増加させます。
ぶどう糖は、体内でおもにエネルギー源として利用される栄養素で、肝臓から血液中に供給されています。
急性肝炎になって肝臓のはたらきが低下すると、肝臓から供給されるぶどう糖の量が減って、血液中の量が不足します。
そうすると、からだは体内にあるたんばく質を分解してぶどう糖をつくり、エネルギー源として利用するようになります(糖新生)。
たんばく質はからだをつくつている基本的な栄養素なので、どんどん分解されると体力が低下します。
そこで、ぶどう糖を入れると、からだの中のたんばく質の分解が抑えられ、食べたたんばく質がすぐ利用されやすくなるのです。
服用する薬としては消化剤、総合ビタミン剤などで十分で、A型肝炎は治りやすい肝炎ですし、慢性肝炎にもなりません。
場合によってはウルソ、プロヘパールなどの薬が用いられます。
B型肝炎ウイルス(HBウイルス)は、血液を介して感染します。
成人になって感染した場合、B型急性肝炎はA型肝炎とほぼ同様に治りやすく、慢性肝炎にはなりません。
このように予後のよいB型急性肝炎ですから、A型肝炎と同じように、入院したうえで、安静を守り、点滴や薬物治療を受ければ、1〜2か月のうちには改善します。
C型急性肝炎の症状はA型、B型の場合とほぼ同じで、からだがだるくなり、食欲がなくなり、黄疸がでてきます。
他の急性肝炎と同様に入院して安静を保ち、5〜10パーセントのぶどう糖500〜1000ミリリットルと必要な各種ビタミンをたっぷり入れた点滴を受けます。
これにより1〜2週間後には食欲もでてきて、だるさもとれ、元気を回復します。
しかし、輸血後におこったC型肝炎は、その5割〜7割が慢性化するともいわれています。
すっかり治るまでは気をゆるめずに、十分に治療をつづける必要があります。
1〜2か月たっても治りにくい場合には、強力ネオミノファーゲンC(略称 強ミノC)を40ミリリットル、毎日静脈注射する方法があります。
これによって治癒が早まります。
この注射を始めたならば、腰をすえて3か月でも6か月でもつづけるという強い意志が必要です。
それは、この注射を急にやめると病気がぶり返し、悪くなることがあるからです。
1ヶ月ほど毎日注射して、よくなる見通しがついたら、次は週3日、週2日、週1日と、だんだんに注射の回数を減らしていきます。
このようにして数か月後にはやめることができるのです。
服用する薬としては、肝臓のはたらきを助け、必要な成分を補い、回復力を高める意味で、ウルソ、プロヘパール、EPL、グルタイド、小柴胡湯などが用いられます。
小柴胡湯も強力ネオミノファーゲンCも、成分はグリチルリテンが主体で、体内の副腎皮質ホルモンであるグルココルチコイドの分解を抑え、血中濃度を高めることによって、このホルモンによる肝臓の回復作用を高めようとするものです。
最近は、早めにインターフェロンを使用して、慢性化するのを防ごうとする試みもあります。
D型急性肝炎は、デルタ抗原(デルタウイルス)によって感染する肝炎で、常にB型肝炎ウイルスとともに感染します。
デルタ抗原が加わると重症化し、慢性化もしやすいといわれています。
しかし、幸いにして日本にはほとんどなく、今までに20例足らずの報告があるのみです。
世界的にはイタリアなどヨーロッパに多くみられます。
D型急性肝炎の治療は、B型急性肝炎と同じですが、重症化し、劇症肝炎になれば、そのための特殊な治療が必要となります。
E型急性肝炎は、インド、ミャンマーなどで流行する経口感染の肝炎です。
上水道が汚染され、一度に1万人の感染者がでることもあります。
治療はA型肝炎と同様に行います。
妊婦は重症化しやすいので、とくに注意が必要です。
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