劇症肝炎の治療
劇症肝炎の治療の方針は、発病して数日間の重大な期間を肝臓のはたらきを助けるありとあらゆる方法を使ってなんとか切り抜け、肝臓自体の回復力がでてくるまで保たせるというところにあります。
まず絶対安静とし、ぶどう糖に各種ビタミンを加え、1日2000ミリリットル以上、中心静脈から24時間点滴を行います。
さらに出血しやすい状態にあるのでその予防を行い、脳浮腫に対する対策もとります。
肝臓のもっとも重要なはたらきは、たんばく質の合成で、このはたらきが低下すると、血液を凝固させるためのたんばく質をはじめ、生命維持に必要なたんばく質が欠乏して出血しやすくなります。
それを補うために新鮮凍結血漿を点滴によって補います。
さらに特殊な治療法として、血漿交換療法があります。
劇症肝炎の患者さんの血漿(血液中の液体成分)中には、肝臓のはたらきが悪いために多くの有害物質がたまっています。
血漿交換療法は、それを新しいきれいな血漿と交換しようというものです。
血漿交換療法は、患者さんから血液を連続的にとり、それをすぐに血渠を分離する器械に入れ、血漿と血球とに分離し、悪い血漿を処分して、その代わりに新鮮凍結血漿を患者さんの血球と混ぜて再びもどすという方法です。
劇症肝炎には急性型と亜急性型という2つのタイプがあります。
急性型は、発病して10日以内に昏睡になるもの、亜急性型は、それ以後になるものです。
そして、急性型の内科的治療による救命率は52パーセント、亜急性型の救命率は32パーセントで、亜急性型のほうが救命率は悪くなっています。
劇症肝炎の内科的治療による救命率は、全体として3割にとどまっており、最近では肝移植が生命の予後を改善する最良の治療法と考えられています。
劇症肝炎に対しては、欧米では早くから肝(臓)移植が行われてきました。
わが国においては、欧米のように脳死肝移植ではなく、主として生体肝移植が行われてきました。
どういう場合に肝移植の適応になるのかについて、わが国の脳死肝移植適応評価委員会での、劇症肝炎に対する肝移植の適応ガイドラインは次のとおりです。
次の5項目のうち2項目を満たす場合は、このままでは死亡するであろうと予測して肝移植のための登録を行うこと。
1.年齢が45歳以上である。
2.発症から(肝臓が悪くなってから)脳の症状がでるまでの期間が11日以上である。
3.プロトロンビン時間が10パーセント以下である。
4.総ビリルビン値が18・0ミリグラム/デシリットル以上である。
5.直接ビリルビン値/総ビリルビン値の比が0.67以下である。
その後の内科的治療による反応なども参考にしますが、それらを総合して移植するかどうかを決定します。
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