いろいろなウイルス肝炎
ウイルス肝炎とは、ウイルスの感染によっておこる肝炎のことをいいます。
最近の新しい考え方では、ウイルスの種類によって、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎の5つに分けられています。
●A型肝炎
A型肝炎ウイルスによるもので、このウイルスのいるなま水を飲んだり、なまの魚や貝などを食べたりすることで経口感染します。
この肝炎はわが国にはほとんどなく、東南アジアでは風土病としてまん延しています。
ですから免疫のない若い人がこの地域に旅行すると感染することがあり、急性肝炎にはなりますが、治りやすく、慢性肝炎にはなりません。
●B型肝炎
B型肝炎ウイルスによる肝炎で、血液による感染で、輸血や性行為、その他で感染します。
もっとも、現在では献血(供血)の際にB型肝炎ウイルスのチェックを十分していますので、輸血で感染することはほとんどありません。
成人がB型肝炎に感染すると急性肝炎にはなりますが、慢性肝炎にはなりません。
よく、B型肝炎になると肝硬変や肝がんになるなどといわれていますが、成人、つまり大人になってから感染した場合は急性肝炎になるだけです。
肝硬変や肝がんとはまったく無関係であり、心配することはありません。
また、4歳以下で感染した場合、この年齢ではまだ免疫能力が十分発達していないのでウイルスを追い出すことができず、数十年にわたってウイルスをもちつづけることがあります。
このような人をウイルスキャリアといいます。
いわば健康保菌者という状態です。
ここで発病するかしないか、将来はどうか、などをみるためにはHB2抗原、抗体をしらべることで。
HBe抗体がプラス(陽性)で肝機能が正常の場合の人がいちばん多く、ウイルスキヤリア全体の7割近くを占めます。
今後発病することもなく、日常生活で他人に感染させることもなく、一生心配ありません。
次に、HBe抗体プラスで肝機能が異常の場合は、これ以上肝機能は悪化することなくおさまり、まず再発はしません。
さらに、HBe抗原がプラスで肝機能が正常の場合は、HBe抗体がプラスになるまで3か月に1度ぐらい定期的検査をしておきます。
肝機能が正常のままHBe抗体がプラスとなれば、一生心配はいりません。
また、HBe抗原プラスの時期に肝機能が異常になることがありますが、これは実際は10人に1人ぐらいです。
そのときは十分な治療を受けることです。
ウイルスキャリア全体で慢性肝炎になるのは1割で、その1割のなかで9割は治るか固定し、肝硬変になるのは残りの1割です。
さらに肝がんになるのは、またその一部ということになります。
C型肝炎は、アメリカのカイロン社がこのウイルスを発見し、診断薬もつくりました。
カイロン社のC、発見者のチョーのCをとって、C型肝炎と呼ばれることになりました。
この急性肝炎の5割は慢性化するといわれています。
D型肝炎のウイルスはB型肝炎ウイルスとともに存在し、デルタ肝炎とも呼ばれます。
D型肝炎は、わが国にはほとんどなく、南イタリアなどごく一部の地域にみられるのみです。
E型肝炎は、イノシシやシカ、ブタなどの肉をなまのまま食べることによっておこることがあります。
それらの肉の中にあるE型肝炎ウイルスの感染によるものです。
海外旅行先での感染だけでなく、国内でも感染することがあります。
E型肝炎は通常一時的で、まもなく回復しますが、ときに重症となることもあります。
予防としては、イノシシ・シカ・ブタなどの肉を必ず加熱してから食べること、ブタのレバーの生食を避けることなどです。
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