肝臓病は時間との戦い

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肝臓病は時間との戦い

肝臓病は、長い間治療しているのに、少しずつしかよくならなかったり、あるいは一時的に悪くなることすらあります。

しかし、じっとがまんして治療を受けていると、5年ぐらいしてから、やっと肝機能検査の数値も安定して、よくなってくることがあります。

肝臓病というのは時間との戦いだというのもこういう意味です。

それでいて自覚症状がないのです。

痛くもない、かゆくもない、仕事もできますが、1か月に1回検査してみると治っていないんです。

AST(GOT)・ALT(GPT)が80以下におさまった慢性肝炎が、肝硬変になるのは10年で1〜2割です。

つまり8〜9割の人はならないのですから、慢性肝炎から肝硬変になるといういい方はまちがってはいないにしても正しいとはいえないと考えられます。

患者さんとしては、周りの多くの雑音に惑わされないよう、いちいち喜んだり悲しんだりしないよう、はっきりしない薬や治療法にふり回されないように身を守ることが大切です。

正しい情報こそ力で、病気に立ち向かう勇気と力がなければ、腰をすえた覚悟がなければ、これから先の長丁場を乗り切ることはできませんので、まずあれこれと迷わないことです。

今できる最善のことをしたら、あとは1日1日を考えていけばよいのです。

慢性肝炎の人は、通常ほかの病気にはかからないことが多く、慢性肝炎の人のなかには高血圧の人はほとんどいません。

今まで血圧が高かった人は低くなります。



コレステロールも高くなりませんので、動脈硬化にもなりにくくなります。

ですから心臓、血圧、動脈硬化などの病気にかかる人は少ないのです。

ストレスがあって、不愉快な気分でいると、食欲はなくなり、血圧は上がり、血管が収縮して、さまざまな病気になることはよく知られています。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍は多少酒を飲んだからといってなるものではありません。

その90パーセントはストレスが引き金で、潰瘍性大腸炎の悪化も、高血圧も、狭心症も、脳卒中も、そして動脈硬化も、その引き金はストレスです。

肝臓も例外ではないと考えられます。

ストレスがあると血液の流れは悪くなり、リンパ球が減り、免疫力は低下して、抵抗力も落ちてきます。

逆に精神的に安定すると、血液の流れも順調となり、リンパ球が増え、免疫力が上がり、病気に対する抵抗力が増します。

ストレスがあり、疲れると、食欲もなくなり、また、かぜをひきやすくなり、下痢もするようになります。

さらに、気分がのらないので何をするのもおっくうになり、夜も眠れなくなり、そのため食欲も落ちてきます。

つまり、なにごとも悪循環になるのです。

でも、ここで神経を落ち着かせ、ゆっくりと呼吸をし、「あわてずゆっくりやれ」といい聞かせると、夜も眠れるようになり、そして、なんでもよい方向に向いてきます。

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