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アルコール依存症と不眠
なかなか寝付かれないときに、毎晩のようにアルコールを飲んでいる状態が、30日以上持続しているのであれば、アルコール依存睡眠障害の可能性があります。
アルコールは、中枢神経を抑制する作用があり、飲むことでリラックスし、たまに少量飲むなら入眠をうながし、深い眠りのノンレム睡眠を増加させます。
しかし、大量に飲酒をすると、睡眠の後半までそうした作用が持続せずに、中途覚醒が起こります。
例えば、夜の12時に入眠したとしても、4時や5時に目が覚めてしまうのです。
長期にわたって大量飲酒をしていると、量を増加しなければ効果が得にくくなり、毎晩飲酒を続けることで、アルコールの睡眠作用が弱まります。
そして、眠るために、徐々に飲酒の量が増えて依存症になり、不眠症と大量飲酒の悪循環に陥ってしまうのです。
この状態で、急激に断酒をすると、中枢神経が興奮状態になり、離脱症状がみられ、その典型は振戦せん妄やけいれん発作となってあらわれます。
振戦せん妄とは、軽度、中等度の意識の低下があり、不眠、興奮、幻覚、錯覚などが発現する状態のことです。
振戦せん妄が起きていると、レム睡眠時であるにもかかわらず、あたかも筋肉がぐったり弛緩していないように見え、これがせん妄のときの夢幻様現象の生理的表現とされており、同じことが脳幹の器質病変や、高齢者認知症のせん妄にも認められます。
アルコール依存睡眠障害の治療は、寝る前のアルコールをやめることですが、急激にアルコールを中止すると、レム睡眠が増加して顕著な不眠が現れる恐れがありますので、徐々に減らしていくことが大切です。
うつ病がんばるな!
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