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眠っているのに眠っていない
睡眠状態の誤認についての調査で、健常者は、本人が6時間眠ったと自覚したら、実際に6時間眠っています。
健常者は、明日は6時に起きると決めて、目覚まし時計をセットすると、通常その時間から前後1、2時間の範囲で覚醒する確率が高いのです。
ですから、健康な人は本来、目覚まし時計は必要なく、それは、本人の睡眠時間の評価と実際の睡眠時間が合致しているからです。
しかし、精神生理性不眠症(眠れないことを恐れて眠れない不眠症)の人は、実際の睡眠時間と自覚的な睡眠時間とにずれがあるのです。
眠れないと訴える人は、実際には6時間眠っているのに、1時間しか眠っていないといいます。
このような睡眠時間の自己評価が低い人は、高齢者によくみられ、若いように眠れないといいますが、実際にはよく眠っているのです。
うつ病の場合も不眠の症状を伴いますが、精神生理性不眠症と違ってズレはなく、うつ病による不眠は本当に眠れないのです。
睡眠時間だけでなく入眠時間のズレについても同様で、寝付くまでにどれくらい時間がかかるかを調査すると、精神生理性不眠症の人は、眠るまでに4〜5時間かかったという人でも、実際には15分くらいで入眠していることもあるのです。
ですので、精神生理性不眠症の人の治療には、睡眠薬を使っても効果がないのです。
実際は眠っているのに、ストレスなど他の要因によって眠れないと訴えているからです。
精神生理性不眠症では、むしろ眠ることにこだわりすぎないことが大切なのです。
布団に横になっても眠れないのに、起きて読書をしたり、音楽を聴くなどしていると、すっと眠くなるということがあります。
寝室の睡眠環境を改善したり、寝る前にリラックスすることが大切なのです。
うつ病がんばるな!
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