過食と過眠のうつ病

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過食と過眠のうつ病

花子さん(26歳)は、小さい頃から優しい性格で、人の面倒をよく見る子供でしたが、神経質なところがあり、学校では友達との人間関係で悩むことがありました。

大学を卒業後、銀行に勤めた花子さんは、同僚だった男性と結婚し、退職し幸せな生活を送っていたのですが、ある日突然、食事の後片付けをしていると、心臓をぎゅっとつかまれたようになり、激しい動悸で、息もできないほど苦しくなりました。

夫に連れられて病院に駆けつけると、パニック障害と診断され、その後もパニック発作を繰り返しましたが、治療を続け、なんとか治まるようになりました。

しかし、今度は頭痛や全身の倦怠感、理由のない不安感に悩まされるようになり、夜もなかなか眠れず、朝は朦朧としてなかなか起き上がれません。

パニック発作は治まっているのですが、また発作が起こるのではないかと不安で、外出もできません。

1日中、体が重く、布団の中から出れないような状態になってしまったのですが、そのくせ食欲だけは旺盛で、特に気持ちが落ち込む夕方になると、何かを口にせずにはいられなくなり、家にある食べ物をあさるように食べるのです。

甘いものが欲しくなって、次々に食べるのですが、それでも食欲は満たされず、不満感が募って、さらに食べ続けてしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

花子さんは当然、激太りしてしまったので、そんな自分がますます情けなくなって、涙が止まらなくなることもあり、一方、夫はわけがわからずとまどうばかりで、何も言えなくなってしまいました。

定型うつ病では、眠れなかったり、食欲がなくなったりするので、痩せていきますが、非定型うつ病では逆の現れ方をします。

特に気分が落ち込んだりしたときに、いくら寝ても寝たりなくて1日の大半をベッドで過ごしたり(過眠)、食べても食べても満足しない(過食)という状態になります。

パニック障害の後に、非定型うつ病に陥る人も少なくないのです。

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