分子標的薬による治療とは
肝がんは、門脈や胆管などに入り込んでしまったり、肝臓以外の臓器に転移してしまった場合には、ラジオ波焼灼療法や動脈塞栓法で壊死させたり、あるいは手術で切除することができません。
その場合は抗がん剤で治療することになりますが、これまで肝がんに有効な抗がん剤はとても少なく、効果があったとしても患者さんの20%ほどでした。
ところが最近になり、ネクサパール(一般名ソラフユニブ)という飲み薬が使えるようになって、進行した肝がんの抗がん剤治療に一筋の明かりが見えるようになりました。
ネクサパールは分子標的薬というグループの薬で、肝細胞がんと腎細胞がんに使われ、従来の抗がん剤とは異なった作用で効果を発揮します。
がん細胞の増殖や浸潤、転移は、がんの遺伝子を介して、特有の分子がかかわっており、その分子を標的にして機能を阻害し、がんの増殖や転移を抑制するのが分子標的薬です。
ネクサバールは、がんの増殖にかかわる因子や、新しい血管をふやすことにかかわる因子をターゲットとしてその作用を抑制し、がんの増殖を阻害します。
従来の抗がん剤が、がん細胞を壊してがんを小さくしていくのに対し、ネクサパールはがんがふえないようにしておく薬で、ネクサパールの効果はがんを小さくするのではなく、がんが大きくなるのを抑えることです。
そのためネクサパールの効果を確認するためには、最低でも1〜2カ月飲み続け、がんが大きくならなければ効果あり、と判断します。
がんが小さくならないからといってあきらめずに、ネクサパールを飲み続けてがんを大きくしないことが長生きにつながるのです。
従来の抗がん剤はがん細胞だけでなく正常な細胞にも障害を与えるため、白血球や血小板の減少をはじめ、共通する重篤な副作用がありました。
分子標的薬は特定の分子だけを標的にするため、分子標的薬に特有の副作用があります。
ネクサパールで最も問題となるのが手足症候群と呼ばれる手や足裏の皮膚に水ぶくれや湿疹が出たり、皮がむけたりする症状で、この症状が出るのは手のひらや足の裏などの厚く硬い角質のある部分で、あらかじめ角質を取り除いておけば、手足症候群を軽く抑えることが可能です。
実際の治療では、ネクサパールを飲み始める前に角質を溶かすクリームなどであらかじめ角質を取り除く治療を行います。
また硬い靴をはくと手足症候群は悪化するので、やわらかい靴をはくと症状を軽くすることができます。
これらの症状は想像以上につらく、薬の効果が出ている人に副作用が強く出ます。
十分な副作用対策をとらないと、ネクサパールの効果が出る前に副作用がつらくて薬をやめてしまうことになりかねません。
医師だけでなく専門の看護師や薬剤師の協力を得ながら、副作用をしっかりとコントロールして薬を飲み続けることが大切です。
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