肝がんとは
肝臓にできるがんは、大きく二つに分けることができ、もともと肝臓に発生した「原発性肝がん」と、他の臓器に発生したがんが肝臓に転移した「転移性肝がん」です。
肝臓にはたくさんの血液が流れ込むため、さまざまな場所にできたがんがこぼれ落ち、血液を介して肝臓に流れてくるためがんの転移が多くみられます。
そのため発生頻度としては、原発性肝がんよりも転移性肝がんのほうが多くなります。
原発性肝がんは、肝細胞そのものから発生する肝細胞がんと、胆管上皮細胞に発生する胆管細胞がんのほぼ2種類に限られ、わが国ではそのうち肝細胞がんが90%以上を占めるため、肝がんといえば肝細胞がんをさすと考えられます。
肝細胞がんの90〜95%はB型・C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎や肝硬変から発生しています。
B型肝炎ウイルスを持つ人は、ウイルスを持たない人にくらべて150〜200倍も肝がんになりやすく、C型肝炎ウイルスを持つ人では、持たない人にくらべて約800倍も肝がんになりやすいというデータもあります。
C型肝炎ウイルス感染者では、ほとんどが進行した慢性肝炎や肝硬変から肝がんに移行します。
さらに、血液検査でALT(GPT)の値が高い人に、がんの発生が多いことがわかっています。
一方、B型肝炎ウイルスでは、慢性肝炎や肝硬変からもがんが発生するだけでなく、肝機能に大きな異常はなく、無症候性キャリアといっていいような人からでも肝がんが発生することがあり、B型肝炎ウイルスそのものに肝がんを発生させるメカニズムがあるのではないか、とも考えられています。
肺がんと喫煙との関連性がいわれ、喫煙は肺がんのリスクを高めるとされますが、それでも喫煙者の肺がんになるリスクは非喫煙者の2倍もありません。
多くのがんでは、がんになりやすい人を高い確率で特定することはできませんが、肝がんに関しては、その原因のほとんどがB型肝炎ウイルスあるいはC型肝炎ウイルスで、肝がん予備群を特定できるのです。
さらに肝がんの特徴として、再発率の高さがあります。
肝がんの最大の原因であるB型・C型肝炎ウイルスに感染した肝臓は、どこがいつがんになってもおかしくない状況になっているためと考えられます。
肝がんの治療後1年後の再発率は20%になり、治療によってがんを根治させても、肝臓の他の場所で、何度でも再発するのです。
そして、再発を繰り返していくと、再発までの期間が短くなっていきます。
再発を抑えるための薬の研究・開発が盛んに行われていますが、残念ながら有力なものがないのが現状です。
肝がんは骨や肺、脳に転移しますが、他の部位のがんとくらべて転移しにくいのも肝がんの特徴といえます。
ただし再発を繰り返していくとがんの悪性度が高くなり、転移しやすくなっていきます。
C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスに感染した人は肝がん(肝細胞がん)になるリスクが非常に高いので、定期的に腹部超音波検査やCTなどを使った画像診断を用いた早期肝がん発見のためのプログラムが確立されています。
そのため日本は、世界において肝がんの早期発見に関してトップクラスの国になっています。
早期発見のための検査としては、超音波画像診断、造影剤を使ったCTあるいはMRI画像診断などがありますが、近年一番大きな進歩は、MRIの造影剤であるGd(ガドリニウム)・EOBの利用です。
Gd−EOBを用いたMRI造影検査は、早期の小さながんの発見に威力を発揮するだけでなく、従来わかりにくかった初期のがんと良性の腫瘍との区別を可能にして、肝がんの診断に、革命的な進歩をもたらしたといえます。
原発性肝がんのひとつで、肝細胞がんが肝臓の実質部分に発生するがんであるのに対し、胆管細胞がんは、肝臓内にある胆汁の通り道である胆管の上皮細胞に発生するがんです。
ちなみに、肝臓の外の胆管に発生するがんは胆管がんといって区別をします。
胆管細胞がんは、原発性肝がんのおよそ5%を占めます。
肝細胞がんがあまり転移しないがんであるのに対して、この胆管細胞がんはリンパ節への転移が多くみられます。
肝臓の外の胆管に発生するがんとくらべて小さいのが特徴です。
また大きさが小さいと症状はほとんど現れません。
肝細胞がんと違って、基本的には慢性肝炎や肝硬変のない正常な肝臓に発生することがほとんどで、療は手術による切除が一般的です。
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