肝不全の治療
腹水の治療でまず初めにやらなくてはいけないのは塩分の制限で、同時に安静にすることが大切です。
それでも腹水が改善しない場合には利尿剤で治療します。
肝硬変が進むと、血液中のアルブミンが減ることで腹水がたまるようになります。
その改善には点滴でアルブミンを補充します。
また、低アルブミン血症ではアミノ酸代謝の異常により血液中のアミノ酸のバランスがくずれています。
このアミノ酸のバランスのくずれは、分岐鎖アミノ酸(BCAA顆粒薬)を服用することで改善されます。
BCAA顆粒薬には肝性脳症を予防する効果もあるとされています。
肝性脳症の原因のひとつは血液中にふえたアンモニアです。
肝臓でアンモニアの解毒ができなくなり、血液中にふえたアンモニアが脳の働きを阻害するのです。
さらに、血液中のアミノ酸のバランスがくずれることも原因とされています。
バリン、ロイシン、イソロイシンといった分岐鎖アミノ酸(BCAA)が少なくなる一方で、芳香族アミノ酸がふえてしまうのです。
このバランスのくずれを是正するために、分岐鎖アミノ酸輸液製剤を点滴します。
分岐鎖アミノ酸(BCAA)と芳香族アミノ酸(AAA)との比をフィッシャー比といいます。
肝臓の機能が低下すると、肝臓のアミノ酸代謝が異常となり、血液中の芳香族アミノ酸の量がふえます。
一方、分岐鎖アミノ酸は筋肉や心臓で分解されるため減ります。
このことから肝機能が大きく低下すると分岐鎖アミノ酸と芳香族アミノ酸の比(BCAAをAAAで割ったもの)は小さくなります。
健康な人のフィッシャー比は3〜4でほぼ一定ですが、代償性肝硬変では2〜3、非代償性肝硬変では2以下になります。
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