自己免疫性肝炎(AIH)とは
体内に入ってきた細菌やウイルスなどを攻撃して体を守る免疫システムがあり、この免疫システムが何かの原因で異常をきたし、自分自身の組織を攻撃してしまうことがあり、これを自己免疫といいます。
リウマチなどがその代表として知られていますが、この自己免疫が肝臓を攻撃して、肝臓に慢性的な炎症が起きることがあり、これを自己免疫性肝炎といいます。
はじめは自覚症状がありませんが、肝機能が急激に悪化することがあり、全身倦怠感や食欲不振、黄疸、尿が褐色になるなど、急性肝炎の症状が出ることがあります。
検査をしてもウイルスは陰性で、抗核抗体や抗DNA抗体といった自己抗体が陽性になります。
自覚症状は乏しいのですが、肝生検をすると肝臓組織の炎症は強く、気づかないうちに肝硬変に進行してしまうことがあるので注意が必要です。
特徴として、中年以降の女性の発生頻度が高く、日本では50歳に発症のピークがあります。
男性にも発生しますが、女性6〜7に対して男性1の割合で圧倒的に女性に多いといえます。
治療には副腎皮質ホルモンが使われとても効果があるのですが、長期使用で副作用も出ることがあります。
@原発性胆汁性肝硬変(PBC)
自己免疫が原因となって肝機能に障害が出る病気はほかにもあります。
原発性胆汁性肝硬変は、自己免疫によって肝臓内の胆管が徐々に破壊される病気で、しだいに肝硬変へ進行していきます。
ASTやALTはそれほど高くならず、γ−GTPやALPが非常に高くなるのが特徴で、黄疸が出ることもあります。
血中の抗ミトコンドリア抗体が陽性になり、IgM免疫グロブリンが非常に高くなることが診断のポイントとなります。
進行の程度を診断するのには肝生検が必要です。
胆汁の流れをよくするウルソデオキシコール酸(ウルソ)を服用すると肝機能が正常化しますが、病気を根治する治療法とはいえません。
A原発性硬化性胆管炎
この病気は、自己免疫が肝臓の外の胆管を攻撃することで発生し、障害された胆管は線維化して細くなりますが、胆管全体が障害されるわけではないので、胆管の一部が細くなったり太くなったりするため、]線造影検査やMRIなどで胆管の様子を調べて診断します。
胆管が徐々に細くなり胆汁の流れが悪くなります。
胆管が細くなって胆汁の流れが滞るようになると黄疸が出ます。
肝機能も低下していって、その後肝硬変になることもあります。
ステントで胆管を広げたり手術なども行われますが、根本的な治療法がないのが現状です。
自己免疫性肝炎の治療では、副腎皮質ホルモンの一つであるグルココルチコイドが第一選択肢とされ、プレドニゾロンが使われます。
自己免疫性肝炎の治療でステロイド薬を飲むと、通常1〜2週間で肝機能が正常になっていき、このときステロイドを急速に減量すると症状が再燃しやすいので、1〜2週間ごとに少しずつステロイドの量を減量していく必要があります。
ステロイドを長期服用すると満月様顔貌(ムーンフェイス)になったり、骨租髭症、糖尿病、感染症、消化管出血などの合併症を引き起こすことがあります。
とくにこの自己免疫性肝炎の発生が多いのが中年女性であり、合併症として骨租しょう症の発生には注意が必要です。
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