重粒子線療法と陽子線療法とは
重粒子とは原子から電子を取り除いた粒子(原子核)の総称で、電子よりはるかに重いため重粒子と呼ばれ、この重粒子を光速の60〜80%まで加速したビームを重粒子線といい、放射線の一種です。
重粒子線のなかで最も軽い水素原子核(陽子)のビームをとくに陽子線と呼んでいます。
重粒子線療法では炭素原子核のビームが使われます。
この重粒子線や陽子線をがんにあてて、がんを破壊してしまおうというのが垂粒子線療法や陽子線療法で、がんの放射線治療の一種と考えることができます。
]線やγ線、電子線などは、体外から照射すると、体の表面近くで最も線量(放射線の持つエネルギー)が大きく、体の中を進むに従って、エネルギーは減少してゆきます。
このため、体の深いところにあるがんにダメージを与えようとすると、がんに到達するまでに減衰することを考えて、強力な放射線を照射しなくてはならず、がんより手前の正常細胞に大きなダメージを与えることになります。
一方、重粒子線や陽子線は、その持っているエネルギーの強さによって人体の中に入る深さ(飛程)が決まっていて、その最大深度近くで急激にエネルギーを放出して止まります。
この現象をブラックピークといい、粒子線(重粒子線と陽子線)のビームは加速器という装置で作り出しますが、加速器で粒子線のエネルギーを調整して、ちょうどがんの位置でエネルギーを放出して止まるようにすれば、体の表面からがんの手前までの正常な細胞にはあまりダメージを与えず、がんだけを効率的に破壊することができるようになります。
重粒子線治療や陽子線治療は、ラジオ波焼灼療法などでは治療できない4〜5Cmもあるようながんでもきれいに治療することができます。
治療は装置の中で横になっているだけでよく、患者さんにとっても負担の少ない治療法です。
ただし、いわゆる先進医療で、治療そのものには健康保険の適用はなく、1回の治療で300万円ほどの自己負担が必要となります。
また、粒子線を作り出す装置は大きく、施設も大きくなり、どこの病院でも治療できるというわけにはいきません。
現在、重粒子線療法や陽子線療法は、肝がんをはじめいくつかの部位のがんで先進医療の対象となっていて、非常に強力ながんの治療法と言えますが、肝がんに限って言えば、肝がんは早期発見がしっかりとできるので、発見が遅れて重粒子線治療や陽子線治療でないと治療できないような状態になることはまれで、ラジオ波焼灼療法や動脈塞栓療法で十分治療が可能と考えることができます。
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