食道静脈瘤の治療
効果的な治療法のなかったころは、肝硬変で食道静脈痛が破裂すると、大量の出血で半数の人が亡くなっていました。
しかし内視鏡を使った治療が行われるようになってからは治療成績が向上し、多くの人の救命ができるようになりました。
内視鏡を使った治療では、おもに内視鏡的食道静脈癌結さつ術と内視鏡的食道静脈瘤硬化術が行われます。
内視鏡的結さつ術は、内視鏡を使いゴムバンドで静脈瘤を縛り、出血を止め、静脈瘤を小さくする方法です。
この方法は静脈瘤が破れて出血している場合や出血直後の止血に最適ですが、再発することが多いため、あわせて内視鏡的硬化療法を行います。
内視鏡的硬化術では、バルーンを取り付けた内視鏡を食道に入れ、バルーンをふくらませて静脈瘤の血流を止めたうえで、針のついたカテーテルで静脈瘤に硬化剤を注入し血流を止めてしまいます。
これらの内視鏡を使った治療は手術にくらべて格段に安全で、患者さんの負担も軽減される方法です。
その結果現在では食道静脈痛の破裂で亡くなる人が減りました。
再発防止として、アルゴンプラズマやレーザーで発生母地を凝固させてしまう方法が利用されることもあります。
肝機能が低下し、特にに肝硬変になると有痛性限局性筋痙攣、いわゆるこむら返りを起こす人が多く見られます。
こむら返りは健康な人でも起こり、それ自体が命にかかわることではありませんが、こむら返りの痛みを軽減することは、患者さんのQOL（生活の質）を考えると、とても重要なことです。
こむら返りには芍薬甘草湯が効果があるとされますが、甘草を含むため大量に服用するとむくみが出るなど弊害もあります。
また、分岐鎖アミノ酸（BCAA）がこむら返りの発生を抑えるという報告もあり、その効果に期待したいところです。
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