インターフェロンによる治療
インターフェロンは、生き物がウイルスなど(抗原)に感染したとき、感染された細胞が作り出すたんばく質の一種(糖たんばく)です。
ヒトインターフェロンは大きくT型、U型、V型の3つに分かれ、それぞれ少しずつ性質や働きが異なっていますが、おもな作用として抗ウイルス作用、免疫増強作用、抗腫瘍作用などがあります。
B型およびC型慢性肝炎の治療では、T型のインターフェロンのうち、培養によって作られるインターフェロンαとインターフェロンβ、バイオテクノロジーで量産されるインターフェロンα−2aとインターフェロンα−2bが用いられます。
もともと生体内で作り出される物質なのですが、ウイルス性肝炎などの際、外からインターフェロンを補うことで、ウイルスの排除を促進させようというのがインターフェロン療法です。
インターフェロンは細胞内でRNA分解酵素の活性化を促し、ウイルスが増殖するのを阻止します。
B型肝炎ウイルスは遺伝情報を持つ本体(遺伝子)がDNA(DNAウイルス)で、増殖には感染した細胞の酵素を利用してR N Aのコピー(mRNA)を作り、それをもとにたんばく質を合成して増殖します。
感染細胞の受容体に結合したインターフェロンはRNA分解酵素を活性化させ、コピーされたRNAを分解するため、B型肝炎ウイルスは増殖することができなくなります。
ただしDNAウイルス自体を破壊する能力はないため、RNA分解酵素の働きだけではB型肝炎ウイルスそのものを排除することはできません。
しかし、ウイルスの増殖が抑えられればB型肝炎ウイルスに感染した細胞は免疫システムによって少しずつ破壊され、その結果ウイルスそのものも減っていきます。
ちなみにRNAウイルスであるC型肝炎ウイルスは、ウイルスそのものがRNA分解酵素によって破壊されるため、インターフェロンによってウイルスを完全に排除することができます。
このことから、インターフェロンはB型慢性肝炎よりC型慢性肝炎により効果があることがわかります。
B型肝炎ウイルスの持続感染があって、思春期以降に継続してALT備に異常がある場合は、なんらかの抗ウイルス療法が必要と考えられます。
一般的にインターフェロン治療対象となるのは、HBV-DNA陽性で、さらにALT値が持続的に高い場合です。
とくに活動性の肝炎でALT値が150IU/?以上となった患者さんで、なおかつウイルスの増殖力があまり高くない例では、比較的インターフェロンが効果を発揮します。
逆にALT値が低値を示し(正常あるいは正常に近い)、ウイルスが活発に増殖をしている症例では、インターフェロンの効果は低くなってしまいます。
また、インターフェロンは治療開始年齢が35歳程度未満であると良好な効果を示すことが多く、逆に年齢が高くなるに従って効果が低くなり、副作用も多くなります。
男性と女性をくらべると、女性のほうがインターフェロンの効果が高いといえます。
それまでC型慢性肝炎の治療だけであったペグインターフェロンが、2011年にB型慢性肝炎にも保険適用されました。
ペグインターフェロンは効果の持続時間が長いのが特徴で、そのため従来型のインターフェロンが開始当初2週間入院して連日注射、以降は週3回外来で注射(自宅注射も可能)という治療であったのが、ペグインターフェロンでは週1回の外来注射ですむようになりました。
ペグインターフェロンはウイルスの量(HBs抗原の量)が多いと効果が低いことがわかっているため、核酸アナログ製剤の服薬によってHBs抗原を下げたうえで、ペグインターフェロンを1ヶ月併用するというシーケンシャル療法が行われ、その効果が期待されています。
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