肝硬変の治療
基本的には線維化した肝臓の組織を元に戻すことはできませんので、肝硬変の根本的な治療はないとされてきました。
しかし最近になり、C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスを原因とする代償期(症状のない時期)の肝硬変では、原因となっているウイルスを排除すると、徐々に線維が吸収されていくことも報告されています。
しかし一般には、線維化した肝臓組織が元のように戻ることはむずかしく、そのため肝硬変治療の最大の目標は、病態の悪化をくい止め、できるだけ長い間そのときの状態を維持することになります。
慢性肝炎から肝硬変に移行しても、初期のころは日常生活に支障をきたすような明らかな症状は見られません。
破壊を免れている肝細胞がギリギリのところで頑張って、なんとか肝臓の機能を維持しているからです。
このような代償期の治療では、可能な限り日常生活を問題なく過ごせるように、肝臓の状態を維持することが中心となります。
肝硬変の3大合併症とされる腹水、肝性脳症、食道静脈痛が発生したら、それらに早期に対応するのが次の目標となります。
代償期、非代償期それぞれにおいて、重症度に合わせた食事療法、生活指導を中心とした治療が大切になります。
慢性肝炎による肝臓の線維化は、肝臓のなかにある星細胞が、肝炎により活性化されてコラーゲンやフィブロネクチンといった線雑組織を作り出すために引き起こされます。
近年、星細胞に、血圧を上げるホルモンであるアンジオテンシンの受容体があり、星細胞とアンジオテンシンUが結合することで星細胞の増殖が引き起こされることがわかりました。
その星細胞の増殖が肝臓の線維化に関係しているのではないかということから、アンジオテンシンU受容体拮抗薬を用いた研究が進められ、その結果アンジオテンシンU受容体指抗薬が肝臓の線維化を抑制することがわかりました。
アンジオテンシンU受容体指抗薬には血圧を下げる働きがあり、ニューロタン(一般名ロサルタン)など一般に降圧剤として利用されている薬です。
またアンジオテンシン変換酵素阻害薬にも肝臓の線維化を抑制する働きがあることがわかっています。
アンジオテンシン変換酵素はアンジオテンシンTをアンジオテンシンUに変換する酵素で、その酵素の働きを阻害するのがアンジオテンシン変換酵素阻害薬です。
アンジオテンシン変換酵素阻害薬はACE阻害薬と呼ばれ、カブトリルをはじめ広く血圧を下げる薬として利用されています。
それぞれいまだ研究の段階ですが、今後研究が進められれば、飲み薬で肝臓の線雑化を抑えて、慢性肝炎から肝硬変への移行を抑えられる日が来るかもしれません。
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