核酸アナログ製剤による治療
インターフェロンと異なるしくみで抗ウイルス作用を発揮するのが核酸アナログ製剤と呼ばれる薬で、B型肝炎に治療効果の高い抗ウイルス薬として、近年開発が進んでいます。
B型肝炎ウイルスは遺伝情報としてDNAを持つDNAウイルスで、増殖するときには、DNA上の遺伝情報がRNAに翻訳され、そのRNAから再びDNAが作られて増殖します。
このRNAからDNAに戻る過程を逆転写といい、核酸アナログ製剤はこの逆転写を抑える働きを持つ薬です。
通常体の遺伝情報はDNAからRNAに翻訳され、そのRNAからたんばく質を作るシグナルが送られて、必要なたんばく質が合成されます。
したがって逆転写という過程はありません。
そのため核酸アナログ製剤は、ウイルスの増殖だけを効率よく抑えられることになります。
核酸アナログ製剤の大きな特徴は飲み薬だということです。
現在わが国ではラミブジン、アデフォビル、エンテカビルの3種類の核酸アナログ製剤が保険適用を認められています。
@ラミブジン
もともとHIV(ヒト免疫不全ウイルス)治療薬として開発された薬で、比較的歴史の古い核酸アナログ製剤です。
わが国では2000年にB型慢性肝炎に保険適用が認められました。
しかし、ラミブジンを服用すると、1年間でおよそ2割の人でウイルスが耐性変異を起こしてラミブジンが効かないウイルスに変わってしまうことがわかりました。
ラミブジンを飲んでいても、はじめのうちは減っていったウイルスが再びふえてきて、肝機能が悪くなってしまうのです。
しかしラミブジンに耐性ウイルスが出現しても、アデフフォビルを一緒に飲むと耐性ウイルスでも抑えられるようになることがわかりました。
アデフォビルの抗ウイルス効果は、ラミブジンより弱く、単独で抗ウイルス薬として利用するには心もとないのですが、ラミブジンでの治療中に生じた耐性ウイビルはラミブジン耐性ウイルスの治療薬として認可されています。
Aエンテカピル
わが国のB型慢性肝炎治療のガイドラインで、現在、核酸アナログ製剤として第一選択薬とされる薬です。
2007年に保険適用が認められ、ラミブジンにくらべて耐性ウイルスの出現が非常に低いのが特徴です。
副作用も多くはありません。
また抗ウイルス効果も非常に大きく、それまで抗ウイルス治療をしたことのない患者さんの場合、エンテカビルを飲むことによって95%以上の人でウイルスが検出感度以下、血液中からほとんどウイルスが消えたといってよいほどに激減します。
当初耐性ウイルス出現はきわめて低いといわれていたエンテカビルですが、B型慢性肝炎に利用されてから5年以上たった現在、この薬に対する耐性ウイルスも出始めています。
現在、抗ウイルス治療には、インターフェロン治療と核酸アナログ製剤の服用といった、2通りの選択肢があります。
それぞれの効果の特徴や副作用などを検討し、どちらかを選択することになります。
原則的に、35歳以上のB型慢性肝炎の患者さんはエンテカビルの服用が第一選択となり、35歳未満の患者さんではインターフェロン治療が第一選択となります。
3種類の核酸アナログ製剤とも、耐性ウイルスが出現し、治療に際して3種類の薬の組み合わせや選択がとてもむずかしくなってきているのが現状です。
そこでこの難局を乗り切るために、次世代の核酸アナログ製剤とも言えるさらに新しい核酸アナログ製剤の開発治験が行われています。
その一つがテノフォビルです。
テノフォビルはHIVの治療薬としてはすでに認可されていますが、現在、B型肝炎の治療薬として開発治験が行われています。
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