皮膚の構成成分とは
①セラミド
セラミドは角質間細胞脂質のひとつで、基底層で生まれた表皮細胞が角化する過程でつくられます。
角質細胞と角質細胞との間にあって、水の層と脂の層が交互に層状に並んでいるラメラ構造をとっており、水分を抱え込む性質があります。
セラミドには6つのタイプがあり、とくにセラミド2と呼ばれるものが水を保持し、セラミド1が角質層を通してものの出入りを抑えるバリアの働きをします。
セラミドの量が減ると角質細胞がはがれ落ちて、そこから水分が蒸発したり、刺激が皮膚に入りやすくなります。
セラミドは加齢や気候、環境の変化などで減少するほか、洗顔のしすぎでも失われます。
②皮脂
真皮にある皮脂腺でつくられる脂でで、皮脂腺から分泌された皮脂は、まず毛包の中に流れ、毛を伝わって皮膚の表面に出てきます。
その量は気温に影響され、暑いと多くなり、寒いと少なくなります。
皮脂は汗腺でつくられる汗と肌の上で混ざり合って、皮膚の表面に薄い膜をつくります。
この膜を皮脂膜といい、皮脂膜はphバランスのとれた弱酸性で、天然の保湿クリームといわれ、水分の蒸発をふせぎ皮膚にうるおいとなめらかさを与えます。
さらに、外から受ける刺激から肌を守り、皮膚表面の細菌の繁殖を抑える働きもあります。
③天然保湿因子（NMF)
角質細胞の中にある人体が備えている保湿成分で、表皮細胞が角化する過程で、みずからの細胞の中につくりだされます。
NMFの主成分は、アミノ酸、乳酸、尿素、PCA（ピロリドンカルポン酸）などの水溶性の物質で、いずれも水分を抱え込む性質があります。
角化が順調でないと、NMFが十分につくられないため、角質層は水分をつなぎ止めておくことができず、肌は乾燥し始めます。
NMFの保湿力は湿度が下がると低下します。
つまり、冬の乾燥した空気の中では、あまり保湿力を発揮しないということです。
NMFの成分は、水になじむ性質から、保湿クリームによく配合されています。
④コラーゲン（膠原線維）
たんばく質の一種で、真皮の重量の約70％を占める主成分で、膠原線維ともいい、線維状の構造をつくっています。
皮膚の丈夫さは、コラーゲン線維が縦横にはりめぐらされていることによります。
革製品はコラーゲン線維がつくっている真皮の部分を利用しているものです。
コラーゲン線椎は線維芽細胞でつくられ、古くなったものは酵素などで分解されます。
しかし、40代以降になると新しくつくられることはほとんどありません。
さらに、紫外線や活性酸素、加齢などの影響でもコラーゲンは古くなったり、量が失われたりします。
これが、シワやたるみの原因です。
⑤エラスチン（弾力線維）
エラスチンは、線維芽細胞でつくられるたんばく質の線維で、弾力線維ともいいます。
真皮の重量のわずか2％しかありませんが、コラーゲン線維の間を縫うように走って、ゴムのようにコラーゲン線維の束をまとめて引き締めています。
肌に弾力があるのは、コラーゲン線維をエラスチン線維が支えていることによります。
加齢によるたるみは、エラスチン線維の構造の変化によるものです。
また、紫外線に長期間さらされることでも、エラスチン線維の変化がおこり、深いシワやたるみができます。
⑥ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、真皮にあるムコ多糖類と呼ばれるネバネバしたゼリー状の物質です。
コラーゲンとエラスチンの間を埋め尽くすようにあり、肌の弾力に大きく関わっています。
水分子を結びつける性質があり、ヒアルロン酸1gが保てる水は6ｌもあります。
この水分を保持する力が、乾燥や肌あれから皮膚を守ってくれているのです。
ヒアルロン酸は腕や脚の関節の中にも存在し、骨と骨の間のすペリをよくする役割も担っています。
人体になくてはならないものですが、年齢とともに生産量は減少し、乾燥やシワ、たるみの原因になります。
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