高齢者の妄想症
高齢者の精神障害は、認知症と機能性精神疾患とに分けられ、機能性精神疾患には、うつ病、妄想、せん妄などあります。
妄想症は、生物学的な老化に加えて、生活環境、ストレスなど多元的な要因が関与して出現します。
配偶者の死、失業、退職、社会的孤立、逆境的経済環境、身体疾患や外科手術による衰弱、視覚障害や難聴などにより引き起こされる可能性があります。
老年期の妄想の特徴は、次のようなものです。
@妄想主題が世俗的・現実的で物化している。
A妄想対象が具体的でしばしば身近な特定の人である。
B物や人、権利、役割を奪われるという存在基盤を侵される危機感が強い。
C権利を侵害したり存在を脅かす対象に対する攻撃性が内包されている。
D作り話が出現する。
具体的な妄想症には、物盗られ妄想があり、見当たらないと盗られたと即断し、最も身近な介護者への攻撃が伴います。
対人接触欠損妄想は、女性に多く、主症状は被害妄想や物盗られ妄想、性的な体感幻覚などで、一人暮らしや離婚、配偶者の死など、対人欠損が主因とされます。
慢性体感幻覚症は、あり得ない体感や幻触を執拗に訴えるものです。
共同体被害妄想は、自分だけでなく家族の誰かが他人から迫害されるという妄想です。
また、妄想は、アルツハイマー型認知症、アルコール性精神病、統合失調症、うつ病性障害、双極型障害などの障害にも随伴することがあるため、鑑別を要します。
うつ病がんばるな!
スポンサードリンク
|
|