老年期のうつ病
老年期の女性に起こるうつ病の特徴は、抑うつ気分、意欲の低下、全身倦怠感など、他の年代で発症するうつ病では典型的に認められる精神症状とともに、強い不安や焦燥、あるいは頭痛、頭重や消化器症状、循環器症状などの心気症状・身体症状などを併せ持つことが多く認められることが特徴です。
さらに罪業妄想や貧困妄想、心気妄想などの妄想をしばしば有することがあります。
うつ状態がさほど強くなく、痛みや体の不調を訴えたり、口やかましくなったり、イライラや怒りが強くなることがあり、年をとればこのような訴えが起こるのは当たり前なので、家族もうつ病を見逃してしまうこともあります。
また、物忘れや、集中力・行動力の低下があり、ときには妄想なども現れるため認知症と勘違いされることがあります。
老年期は衰退と喪失に直面する時期で、身体的能力や健康の喪失だけでなく配偶者や同胞、友人など自分にとって大切な人々を失ったり、家や財産などの喪失といった出来事が生じやすい年代でもあります。
老年期の女性は他の年代とは異なる身体的要因や心理的、社会的要因が関与することにより、うつ病発症の時期になります。
また、脳血管性認知症やアルツハイマー型認知症の初期に抑うつ症状が認められることがあります。
アルツハイマー型認知症は脳内の神経細胞が通常の老化スピードより速く変性し脱落するために、知的機能が低下するものです。
脳血管性認知症は脳の動脈硬化により多発性の脳梗塞や脳出血が起こるもので、そのために脳の活動に必要な酸素や栄養素が補給できなくなり、神経細胞が変性して脱落し認知症になります。
うつ病がんばるな!
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